【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『ジェネレーションズ/STAR TREK』(1994)

e0033570_2124060.jpg退役していた”生ける伝説”カーク大佐が、ハリマン艦長率いる新型艦エンタープライズBのテスト航海に、スコット、チェコフと共にゲストとして招かれた。だがその航行中に謎のエネルギーリボンに遭遇、艦を救おうとしたカークは爆発事故に巻き込まれてしまう。
カークの”殉職”から78年後、ピカード艦長以下のエンタープライズDは、ロミュラン人の攻撃を受けた宇宙ステーションからソランという科学者を救出する。だがソランはクリンゴン人と手を組み、恐るべき計画を練っていたのだった・・・。

「スター・トレック」の劇場版7作目。
これまでの6本はTOS――「ザ・オリジナル・シリーズ」と呼ばれるメンバー(単に「ザ・クラシック」と呼ばれることも)の活躍を描いてきたが、この作品から劇場版も世代交代。TNG――「ザ・ネクスト・ジェネレーション」のメンバー中心に作られることになった。
いわば新シリーズの1本目ということになるのだが、観客をスムーズに作品世界に誘うためか、それとも新メンバーだけでは集客力が弱いと判断したのか、それともそれとも単純にファンサービスなのかは知らないが、TOS世界から物語が始まり、TNG世界で解決するという二世代に跨るストーリーになり、カークとピカード、新旧のエンタープライズ艦長の顔合わせが実現した。

序盤でカークが目立ちすぎるのは、全体のバランスを考えると如何なものかと思ってしまうし、目玉のはずのクライマックスにおける両艦長の共演シーンもどうにも華やかさに欠けるように感じられるのだが、これまでのシリーズに精通している人ならば「カークらしい」「ピカードらしい」と納得の行く場面なのだろうか。
このクライマックス、50代のソラン役のマルコム・マクダウェル、ピカード役のパトリック・スチュワート、60代のカークことウィリアム・シャトナーという、アクション・シーンを演じるのは些か薹が立った役者陣が身体を張っているという点で、かなり異様なムードを感じてしまうのだが・・・。

それにTOSからキャストインしているのはスコットのジェームズ・ドゥーアンとチェコフのウォルター・ケーニッグの二人だけだが、時折台詞に名前が出てくるように、カークを見送るならばこの二人では荷が重い。やはりスポックとマッコィが妥当なところだろう(実際はレナード・ニモイとデフォレスト・ケリーに出演を断られたため、スコットとチェコフに差し替えたとの話だが)。

e0033570_21242245.jpgそれでも”隠れ主役”というべきアンドロイドのデータ少佐をはじめ、新エンタープライズのクルーのキャラは立っているために、全体の構成には難があるものの、一本の映画としてはかなり見応えがあるものになっている。

シリーズ中でもかなりのヒット作になったようだが、日本での興行成績は不明。アメリカ本国より遅れること一年以上、細心の注意を払って(?)邦題から「スター・トレック」の文字を外し(というか暈し)、純粋に宇宙を舞台にしたSF映画として売ろうとしたようだが、当時かなり空席の目立つ映画館で鑑賞した記憶がある。
ただ現在リリースされているDVDは邦題が『スター・トレック/ジェネレーションズ』に改められ、こちらはストレートにファンをターゲットにしている印象である。
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by odin2099 | 2009-05-25 21:25 |  映画感想<サ行> | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from こぶたのベイブウ映画日記 at 2009-06-14 18:44
タイトル : ★★★★「スター・トレックジェネレーションズ」パトリック..
人生の折り返し点が過ぎた大人の方が、より楽しむことのできるドラマでした。カーク艦長が、とてもいい感じで、もう最高の交代劇なんじゃないかしら?感情チップを入れたデータも可愛いし、出てくるキャラがみんな好きだなぁ。つい何度も観てしまう映画なのですが、なぜか...... more
Commented by よろづ屋TOM at 2009-05-26 01:42 x
TNGは数本しか観てないものの、ピカードはカークの跡を継ぐに足る魅力は感じてたので反発は感じませんでしたが、さすがにこの作品はカークの死を見たくなくて劇場は行かず、でもやはり気になって最終的にLDを買いました。『叛乱』は行ってるんですけどね。

それほどTOSにどっぷりな私ですので仰る通りこの作品は「らしい」と思い特に疑問も挟みませんでした。(妄信的ファンってダメですね)とはいえ、TOS劇場版は『Mr.・スポックを探せ』で終わった、いや、終わるべきだったのだと思うのです。
たしかに『4』も好きですし、以前紹介されていたように『6』は良い出来でしたが、アレが番外編のカーテンコールでそれ以後もいつまでも老醜をさらすカークたちを見るのは正直辛かった。レナード・ニモイたちもそう考えたのかも知れませんし。

小説版にもありましたが、劇場版三部作ではスポックたちから贈られた老眼鏡を嫌うカークの描写や、逆に“老い”の象徴であるそれを受け入れる彼の姿、そしてエンタープライズの轟沈はTOSのエピローグとして描いたものだったはずだと思うのです。
新作、きっとまたDVDで観る事になりそうです。あのエンタープライズは馴染めそうにないです…
Commented by odin2099 at 2009-05-26 23:12
カークを死なせ、それをピカードに看取らせるということは、新シリーズが旧シリーズに引導を渡しているようなもんですよね(苦笑)。
実際、オールドファンからはクレームもあったみたいです。
プロット段階では、カークを24世紀で生かす、過去へ送り返す、の両方のアイディアも検討されたみたいですが、華々しい最後を遂げさせてあげようということになったようです。あんまり華々しい感じはしませんが。
ただ、最後にカークが死ぬ場面を見せずに曖昧なままにしておいたり、或いはピカードが駆けつけたときにはカークの姿は消えていた、というような余韻を感じさせるような演出でも良かったなぁとは思っています。

ちなみに未読ですが、続編小説ではカークが復活しているようですね。
ボーグがカークの遺体を回収し、対ピカード用の戦士として再生させる・・・というところから始まる物語だそうで、作者はなんとウィリアム・シャトナー自身!
三部作になっていて翻訳も出ていたようですが、今は絶版みたいです。
ちょっと気になるなぁ。

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