【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『ゴジラ対メガロ』(1973)

度重なる核実験で生活環境を破壊された海底王国シートピアの皆さんが、守護神メガロの力を借りて地上の人々に復讐しようと立ち上がるというお話で、それを迎え撃つのがロボットのジェットジャガーと、そして怪獣王のゴジラさん。
これを見て旗色悪しと感じたシートピアの皆さんは、M宇宙ハンター星雲からガイガンを助っ人に招き、ここにゴジラ・ジェットジャガー組とメガロ・ガイガン組のタッグマッチが実現するのです。

e0033570_23285858.jpg「ゴジラ」シリーズの人気投票をすれば、おそらくワースト3以内には顔を出してくるんじゃないかなぁと思われる不遇な作品です。
確かに”良いところ”を挙げてみろ、と言われちゃうと答えに窮しちゃうんですよね。
先ず、低予算はわかるんですけど、怪獣が暴れるシーンの殆どが旧作からの抜き焼きというのはゲンメツ。
例えばメガロが戦闘機を攻撃するシーン、一瞬だけメガロの手がガイガンの手に摩り替わります。これ、ガイガンが爪で戦闘機を叩き落すショットを前作の『ゴジラ対ガイガン』から流用しているからなんですが、この作品にはガイガンも出てくるワケですし、ちょっと節操無さ過ぎな気が・・・。
そもそも『ゴジラ対ガイガン』自体がかなりの流用フィルムで構成されていた映画でしたが、そこから更に再利用とは血も涙もないと言うべきか。他にもキングギドラの都市破壊シーンを使いまわしてますし。
ただ、強いてあげれば序盤の湖の災害シーンや、中盤のダム決壊シーンなどは「流石、東宝特撮!」と言ってあげたいくらいの出来栄えなのがせめてもの救いでしょうか。

また作品をややこしくしている(?)のが、謎のロボット、ジェットジャガー。
子門真人の歌う主題歌まで用意されたコイツは、主人公の博士が作った等身大のロボットで、最初のうちはシートピアの工作員に操られ、メガロを攻撃目標に誘導する水先案内人の役目を負わされてしまいますが、博士によってそのコントロールから切り離され、指令によって怪獣島のゴジラに出撃要請(!)をしたあたりから自我に目覚め、あれよあれよという間に巨大化し、メガロに立ち向かうという本作のヒーロー。
でもねぇ、ロボットが自我に目覚めるのは良いとしても、なんでいきなり巨大化するんだ?
それにそのデザイン。なんか陰険な笑い顔なんだよなぁ・・・。

これは余談ですけど、製作サイドとしてはどうやらジェットジャガーをシリーズ・キャラクターに育てようという意向だったご様子。
でも多分人気が出なかったんでしょうね。これを手直ししたのが、TVシリーズとして放送された『流星人間ゾーン』だったんじゃないかなぁと思っております。
『流星人間ゾーン』にはゴジラもセミレギュラーとして出演し、キングギドラやガイガンなども出てきます。ゾーンファイターのデザインは、ちょっとウルトラマンAっぽいんですがね(掛け声などAのものが流用されてるし、スタッフも『A』から流れている人が少なくないですね)。

ところでこのお話、どう考えても”正義”はシートピアの皆さんにありそうなんですが、力には力を!式の報復攻撃が行き過ぎだってことなんでしょうかね。同情の余地なく、単なる悪人として描かれているのが気の毒です。
それにしてもハンター星雲人たちとは、いつ国交を樹立したのでしょうか。
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by odin2099 | 2009-06-18 23:29 |  映画感想<カ行> | Trackback(4) | Comments(2)
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Commented by とおりすがり at 2011-02-07 18:21 x
古い記事にコメントして失礼します。
ゴジラ対メガロですが、ラストに主人公たちが
「(ジェットジャガーは)再び戦いが起きたら、意志を持つかもしれない」
「そうならないようにしなくちゃね。海底王国だって、平和を脅かされなかったら戦いを挑んでこなかったんだもん。」
という会話をかわします。
なのでシートピアは「単なる悪役」あつかいではないですよ。

また、ゴジラたちはメガロもガイガンも殺してません。
退散させただけです。
ウルトラセブンのギエロン星獣は殺してますよね。
この部分はゴジラ対メガロのほうが良心的だったとおもいます。
Commented by odin2099 at 2011-02-07 20:25
人間側の方が悪いと思えるのに、攻めて来たからやっつけてメデタシメデタシ、という図式がどうなのかなあ、と思ったということです。
長年に亘って地上を制覇する野望を持っていた、とかいうのとは違いますよね。
まあ、そこまで深入りするシナリオではないと思いますけれど・・・。

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