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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『ゴジラVSビオランテ』(1989)

『エイリアン』に対する『エイリアン2』のような、一つの転回点になった作品。
関東地方と関西地方を縦横無尽に移動する冒険活劇で、ひょっとするとシリーズ最高傑作かも?などと秘かに思っていたりもする。

e0033570_6253881.jpg前作の復活『ゴジラ』はヒットしたとはいうものの、続編製作には5年ものインターバルが。
やはり「ゴジラ」を取り巻く環境はそう甘いもんじゃなく、簡単にシリーズ再開とは行かなかったようだが、お話はそのラストシーン直後、せいぜい数時間後ぐらいから始まる。
シリーズには珍しく、地に足の着いたというか、現実世界と地続きのリアルな世界観が特徴だった前作をそのまま引き継いではいるのだが、しかし今回は随分と大ウソを盛り込み、良い意味で弾けた内容に。
遺伝子工学など先端技術を追う一方で、これまでのシリーズにはなかった超能力などというものが前面に出てきているバランス感覚。このあたり、付いて行けない観客もいただろうけれど、閉塞感に押しつぶされるような愚を犯さなかったのは高評価。

勢いだけで突っ走ってる印象も無きにしも非ずで、ビオランテの設定や扱いに関して納得行かない面があったり、キャラクター造型に疑問符が幾つもついたりはするものの、場面転換の妙、編集の巧みさ、それに役者陣の好演(特に峰岸徹!助演男優賞モノだ)で一気に見せてしまう。弛れる場面が殆どないというのは、これは奇跡に近い。
沢口靖子が5年の間に、如何に演技力が向上したのかを確かめるのもオツなもの。

そして音楽の すぎやまこういち も良い。
当時は結構叩かれていたと記憶しているが、個人的に音楽家としては伊福部昭よりも すぎやまこういち の方が好きだということもあるのだが、伊福部メロディーをピンポイントで効果的に使うのは、時代の空気とマッチしたやり方だったと思う。
次回作以降、伊福部昭が音楽担当として現場復帰しているが、嬉しい反面、どうしても古臭さを感じてしまったのも事実だから。
でも「怪獣大戦争マーチ」は違うだろ、あそこは「怪獣総進撃マーチ」じゃないのか。

そういえばこの作品でちょこっちょこっと映る女優さん。スーパーXIIのオペレーターという役どころで、名前もないような小さな役だけど時折キラリと光る存在感。特撮ファンは見逃しませんでしたねー。
それが一般の映画ファンにも飛び火して、今じゃ日本を代表する女優の一人に。
そう、もちろん鈴木京香のことですよ。
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by odin2099 | 2009-07-02 06:26 |  映画感想<カ行> | Trackback(2) | Comments(8)
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Tracked from 極私的映画論+α at 2009-07-05 05:36
タイトル : ゴジラVSビオランテ (1989) 105分
 ビオランテが進化している... more
Tracked from シネマの箱 at 2009-07-05 21:12
タイトル : ゴジラVSビオランテ
ゴジラVSビオランテ(1989/日本) 評価(お奨め度)★★★★☆ 監督: 大森一樹 製作: 田中友幸 プロデューサー: 富山省吾 原案: 小林晋一郎 脚本: 大森一樹 撮影: 加藤雄大 特殊効果: 久米攻/渡辺忠昭 美術: 育野重一 造型: 安丸信行/品田冬樹 編集: 池田美千子 音楽: すぎやまこういち テーマ曲: 伊福部昭 アクション: 薩摩剣八郎(ゴジラ)/竹神昌央(ビオランテ) 特技・撮影: 江口憲一...... more
Commented by よろづ屋TOM at 2009-07-02 10:28 x
実は私、復活後の作品では二番目に好きだったりします。
特に『G細胞』の発想とか石油カルテルのカラミには脱帽しました。土屋さんとかの顔ぶれも嬉しかったし。
芦ノ湖のビオランテを足元からなめるカットには思わず「をを〜っ」と感動しました。やっと日本も特撮と実写がうまく連動した撮影ができるようになったかと。

ただビオランテの“キラキラ花粉転送”には抵抗あるし、まして沢口昇天カットは一緒に行った親友とも「あれだけは要らんなあ」と溜息したほどでしたが(素材になるまでは問題ないんですけどねえ)。
鈴木京香も素晴らしかったですが、今では三の線の政伸君のかっちょええデビューという意味でも記念的だと思ってます。

しかしこのポスターは洋画を意識していていい。この後、またタイトルがばかでかい、絵画タッチのレイアウトに戻ってしまったのは広告屋としては「ああ、またか」とちょっとガッカリしたものですが。
Commented by samurai-kyousuke at 2009-07-02 13:19
この映画の白眉は、ビオランテが触手を揺らせながらゴジラに突進する場面ですね。東宝伝統の操演部渾身のショトです。
Commented by odin2099 at 2009-07-02 22:11
>TOMさん

芦ノ湖のビオランテ出現のカットは、ホントにビックリしました。
ここまでスムーズに行った合成ショットは、日本映画初なんじゃないでしょうかね。
今見ると流石に粗が見えちゃったりしますが、この映画、映画館だけで3回は観に行ってます。

ラストシーンの沢口靖子は失笑買ってましたね。
でも三田村邦彦も高嶋政伸も、高橋幸治や小高恵美も、金田龍之介さえも適材適所だったなぁと思ってます。
もう一人のスーパーXIIオペレーターの豊原功輔も悪くなかったですね。次回作で主演になるとは思わなかったけど。

土屋さんが出たのは次回作の『VSキングギドラ』ですが、TOMさんが一番の好きなのはコレですか?
Commented by odin2099 at 2009-07-02 22:19
>samurai-kyousukeさん

ビオランテはデザインも造型も実はあんまり好きじゃないんですが、色々なアイディアは詰まってますね。
このシーンって、破李拳竜のアイディアかなんかで現場処理されたんじゃなかったでしたっけ?
Commented by pixytale at 2009-07-03 03:10 x
エスパー少女・三枝未希……やっぱりこれに尽きるでしょう。三枝未希はその後も『vsデストロイア』までレギュラー化していますが、旬のかわいらしさはこの作品でしか味わえません。サイコキネシスでゴジラに立ち向かってるなんて無茶も、この作品だけですからね。ああ、『ビオランテ』の未希ちゃん……
Commented by odin2099 at 2009-07-04 04:10
小高恵美というと、『竹取物語』と『花のあすか組!』しか知らなかったので、この作品でもちょっときつめの娘だなぁ、という印象でした。
そんな彼女が可愛く感じられたのは、やはりヒロインとなった『VSスペースゴジラ』の頃でしょうかね。
数年前に体調を崩し、そのまま事実上の引退状態みたいですけど、今は元気なんでしょうかねぇ・・・。
Commented by よろづ屋TOM at 2009-07-08 11:04 x
あ。土屋さんはvsキングギドラでしたか。いかんな、ごっちゃになってるな。
そうです、当時の有名外タレ三人がなかなかオモロイ配役になってたアレが一番好きです。
なんたって昭和では悪の象徴だったKGを超兵器扱いにするなんて。しかもタイムパラドックスまで混ぜ込んで。vsKGは他にもイロイロと想い出の深い作品なんですよ。
Commented by odin2099 at 2009-07-08 23:39
『VSキングギドラ』に関しては本家サイトに書いてありますし、今回別トピをアップしたのですが、どうしても好きになれないというか、許せない作品なんですよね、自分にとっては(苦笑)。
外タレさんも、実はチャック・ウィルソン以外は全く知らない人で、後で別の番組に出てるアンドロイドM11を演じたタレントさんを見つけ、すっごい違和感を覚えたという・・・。
その反動からか、『VSモスラ』は気に入っているのですが、今観直しても面白く感じるかなぁ・・・?

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