【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『ゴジラVSキングギドラ』(1991)

『ゴジラ1985』から『VSビオランテ』の公開までは5年かかったが、今回は『ビオランテ』から2年。以後、間に「モスラ」シリーズを挟みながらも、お正月の怪獣映画は15年連続して公開されることになる。
それだけ安定した興行成績を上げ続けたとも言えるし、また連続して公開されることで認知されたというか、一種の習慣のようなものを生み出したとも言えるだろう。その意味でこの作品の功績は大きい。

しかしながら少なくても5~6回は観ている作品なのだが、色々な面で納得のいかない作品である。
「東宝創立60周年」ということでかNHK-BSが特集番組を組んだり、イベントを含めかなり宣伝にも力が入れられており、また前作が思いのほか面白かったので個人的にもかなり気合を入れ、初めて公開初日に観に行ったりもしたのだけれども、ガッカリとまでは行かないまでも、なんとなく釈然としない想いで劇場を後にした記憶がある。
ハリウッド製のSF映画を意識しすぎたパロディ紛いのシーンも、「ゴジラ」らしさが感じられない。

以下は「しねま宝島」からの転載。
大森一樹が手掛けた『ゴジラ』シリーズの第二弾で、通算では18作目。

e0033570_20264734.jpg監督は恐らく前作『ゴジラVSビオランテ』の反省点を、本篇と特撮のキャッチボール不足においたはずで、特撮に従属気味だった前作に比べ今回は本篇への引っ張りが多分に見られ、特撮映画としての完成度は高まったといえよう。

が、今度はドラマ部分の破綻がかなり目立っている。
タイムパラドックスの矛盾点には目をつぶるとしても、問題はドラマ上の悪役としての未来人の設定で、この為に物語の構図は「現代人VS未来人」となってしまい、二大怪獣の激突には必然性が無くなってしまった。
二匹とも都合の良いように蘇生・復活させられて使われる道具でしかない。これでは怪獣映画としてのカタルシスをどこに求めれば良いのだろうか。

そもそも未来人の目的は、表向きは復活したゴジラの脅威によって壊滅的打撃を被っている未来の日本を救うために歴史上からゴジラを抹殺する、というものであった。ところが実際にはゴジラは復活しておらず、逆に超大国化している日本を弱体化させる為に、ゴジラの代りにキングギドラを誕生させて操ることが真の目的であることがわかる。
問題はその後で、思惑通りキングギドラに日本を襲撃するのだが、実はやはり誕生していたゴジラが出現するや否や、ゴジラとキングギドラを激突させ、挙句の果てにキングギドラがゴジラに破れると「我々の目的はゴジラが果たしてくれる」と嘯く始末。日本の弱体化が狙いならば、ゴジラも好き勝手暴れさせ、キングギドラは要所要所でコントロールして攻撃させれば目的達成も早かろう、というもの。

音楽監督として伊福部昭を起用し、土屋嘉男をポイントとなる役で出演させる一方で、キングギドラの設定を変更する(やはりキングギドラは宇宙怪獣でなけりゃ!)といった具合にオールドファンを喜ばせたり怒らせたり、とやることも中途半端な本作品は、やはり何か食い足りなさが残ってしまった。
ところが俗に「平成シリーズ」「VSシリーズ」と呼ばれる作品の中では、かなり評価が高いのがどうにも是背無いのだが・・・。
中川安奈、豊原功輔といった主演陣が地味なのに比べ、土屋嘉男に小林昭二、西岡徳馬、チャック・ウィルソン、山村聡、原田貴和子、ダニエル・カール、ケント・ギルバートら脇役が異常に豪華(原田貴和子なんて何のために出てきたのやら)だったりするのも、なんかチグハグな感じである。
前作に引き続いて登場の三枝未希役の小高恵美も、作品中の彩りとも傍観者ともつかぬ立場でしかないのは勿体ない(引き続きといえば、豊原功輔はじめ佐々木勝彦も上田耕一もスライド登板だが、3人とも違う役なのは面白い)。
まぁ作戦司令室に佐原健二、小林昭二、黒部進の三氏の姿があるのは、ファンとしては嬉しくもあり、違和感もあり、だが。

ところで、この映画で一番インパクトがあったのがエンドクレジット後の特報。
まさか新作告知があるなんて・・・!
次回作『ゴジラVSモスラ』への期待は、弥が上にも高まるのでありました。
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by odin2099 | 2009-07-08 20:29 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(2)
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Commented by よろづ屋TOM at 2009-07-10 14:24 x
あらまー。やっぱりいろんな意見が出てきますね。
怪獣激突の必然性といえば、昔のシリーズでどっかの博士が「とにかく怪獣というのは地球のどこにいようとも、複数いれば互いに引き合って闘うのが本能だ」みたいなこと、言ってませんでしたっけ?
いや、勘違いだったらごめんなさい。
でもこの設定があればこそ怪獣は何が何でも闘う宿命だと信じ込んでました。
極端に言えばハブにマングースみたいなもんだと思ってましたんで…
私はしいて言えばKGの素材になったアレがちゃちすぎた事くらい。

私にとってのこの作品の想い出というのは、関西地区だけかも知れませんが、このポスター絵と同時期上映?のハム太郎の素材を使って劇場用オマケの子供用紙製バイザーをデザインした事とか、そのおかげで試写に招待されて、例のターミネーターもどきの役を演じた俳優さんのすぐそばで鑑賞したとか…

vsモスラもやはりバイザー作ったんですが、作品は全然覚えてないです…
Commented by odin2099 at 2009-07-10 23:56
確かにドラッドはちっちゃくて可愛すぎましたね。
デザインは同じでも、キャラクター性がないので今回のキングギドラは好きじゃないですねー(苦笑)。

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