【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『ガメラ/大怪獣空中決戦』(1994)

80年代から90年代にかけて何度か噂には上がっていた「ガメラ」が、<平成ゴジラ>シリーズのヒットの影響を受けてか遂に復活。先行して「大魔神」復活プロジェクトが動いていたが、結局「大魔神」よりは「ガメラ」ということになったようだ。

プルトニウムの輸送船が太平洋上で”動く環礁”に遭遇、一方九州のとある島では島民が消息を絶ち、人を食う巨大な怪鳥が目撃される、という導入部からハラハラドキドキ。やがて環礁から謎の碑文や勾玉が発見されるや、失われた超古代文明への興味を引き、更に環礁が巨大な生物であったことが判明。怪鳥と巨大生物には何らかの因果関係があることが碑文から推測され、それぞれギャオスとガメラと名付けられたあたりから、物語は一気に対決ムードへ。
これに、最初に環礁に遭遇したことから一連の事件に首を突っ込むことになるヒーローと、怪鳥調査を依頼されたことから巻き込まれてしまうヒロインとの仄かな交流が描かれ、勾玉を通して”巫女”に選ばれてしまった少女が絡むなど、最初から最後まで弛れ場が殆どない傑作。

e0033570_637165.jpg巨大なカメという基本デザイン、口から火を吐き回転ジェットで空を飛ぶ能力を持つこと、それにアトランティス大陸との因縁があるらしいことなどは旧作から踏襲しているものの、世界観はまるで別。通算ではシリーズ9作目になるが、新シリーズの1作目と呼ぶ方が相応しい。
過去の柵を断ち切り、良くも悪くも馬鹿馬鹿しさに満ちていた旧作に対して、かなりリアルな世界観を構築していて、リメイクとも呼べないぐらい旧シリーズとは色合いが異なっている。

もし現実社会に巨大怪獣なるものが出現したら、という状況下でのリアルなシュミレーションを行い、初めて本格的に組織としての自衛隊を描いたことが、本来の怪獣映画ファン以外にもアピールし、怪獣ファンは怪獣ファンで、<平成ゴジラ>にない要素に過剰に反応し、かなりの盛り上がりを見せていたのは記憶に新しい。

時には必要以上に<平成ゴジラ>を貶めて評価する姿勢には疑問を感じるが、マニア心を擽る出来であったのは事実。かれこれ15年ほど前の作品になるが全く古びておらず、後の世には”新古典”という扱いをされるのではなかろうか。
そういった高評価が直接興行成績に結び付かないあたり、眼前には悲しい現実が横たわっているが、それでも後に三部作としてまとめられたのは僥倖。
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by odin2099 | 2009-07-28 06:37 |  映画感想<タ行> | Trackback(8) | Comments(8)
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平成ガメラ三部作はハマりましたね。WOWOWでの放映を録画したDVDを今でもたまに鑑賞しています。少年時代に昭和ゴジラに夢中になった、おじさん達の心を鷲掴みしました。まさに待ちこがれた大人の鑑賞に堪える怪獣映画だった気がします。
中山忍ちゃんが可愛いのも映画のポイントを大幅に上げています。(笑)
Commented by odin2099 at 2009-07-28 22:42
実は最初に観た時は「ふーん」という感じでした。
あまりにも評判が良かったので、過剰に期待してしまっていたんでしょうね。
でも繰り返し観て、ドンドンはまっていった感じです。
ただ、”三部作”と括った場合、トータルではどうなのかなぁ、という気がしないでもないですが。
個別にはみんな好きなんですけどね。

中山忍はデビューの頃から知ってますので、こんなにしっかりとした演技が出来るんだ、と感心した覚えがあります。
Commented by よろづ屋TOM at 2009-07-29 16:27 x
旧作もちゃんと評価されてるエクスカリバーさんには失礼なんですが、1961年生まれでリアルタイムでその世代だったはずの私でも旧シリーズは耐え難いものがありまして、そのマイナスイメージのせいでこの作品も完全に無視してました。
そういう人、多かったんじゃないでしょうかねえ。しかも新ゴジラがあんな程度なのに、ましてガメラなんて…って気分もあったし。

で、エクスカリバーさんのように旧作も大好きな親友に「オマエ、これは観んと後悔する。これならお前も納得する」とビデオを渡されて「ああ、そう?」と預かりっぱなし半年以上、ふと魔が差して?観て見たら───
( ̄ロ ̄lll) これ…SFやん。かいじゅー映画ちゃうやん。すごっっっっ!

そして『レギオン』では初日に劇場へ。

ただ、この作品もあっちの沢口靖子のように、セガールの娘さんの登場シーンでどーにもけつまづくんですよね…ヒロインの忍ちゃんは素晴らしかった(女優としてはおねえちゃんよりウマイと思う)のに。
Commented by odin2099 at 2009-07-30 22:37
あんまり評価してるつもりはないんですけど(苦笑)、旧シリーズに思い入れのない分、新シリーズはすんなりと受け入れられたかも知れません。
「あんなのはガメラじゃない」という声も、確かにあったようですし。
でも大多数の(?)「ガメラ」ファンというか、平成「ゴジラ」に飽き足らない怪獣ファンは、こぞって新作「ガメラ」に流れ込んだようですね。
その反面、平成「ゴジラ」の下落ぶりがちょっと納得いかなくて・・・。

同じ”現代”を舞台にしていながら、平成「ガメラ」がリアルな現実世界を切り取って評価されたのに対し、近未来的、レトロ・フューチャー的な楽しさを持っているのが平成「ゴジラ」でしょう。
架空の超近代兵器やスーパーウェポンが縦横無尽に活躍する”夢の世界”は、平成「ガメラ」には無縁のもの。両シリーズは本来共存出来るはずだと思うんですがねぇ・・・。

藤谷文子に関しては同感です。
1作目には中山忍、2作目は水野美紀、3作目には中山忍、前田愛、山崎千里・・・と揃っている中で、申し訳ないですが一段と見劣りしてしまいます。
Commented by ガメラ医師 at 2009-08-03 18:49 x
 こんにちは。ガメラ医師です。
湯浅版ガメラシリーズに続く、金子版平成三部作の視聴記、興味深く拝見させて頂きました。作品自体のみならず、怪獣映画史や興行的側面に至る多面的評価は素晴らしいと思いました。
 毎度遅い反応で申し訳ございませんが、8月3日付けの拙Blog更新、
「ガメラ:平成(金子)版視聴記など 2009/08/03」
にて、こちらの記事をご紹介させて頂きましたので、ご報告申し上げます。平成三部作の各作品、および3作を通したご評価にも期待して今後の展開をお待ちしております。
 
Commented by odin2099 at 2009-08-03 19:50
いつもご紹介、有難うございます。
ようやっとあと2本になりました。
いずれまたそのうちに・・・。
Commented by たお at 2010-12-13 14:22 x
TBありがとーございます!
脚本・特撮・演出が見事にかみ合った傑作でしたねぇ。
「怪獣映画だし」って甘えも妥協も全くないのも見事。
確かこのシリーズって、“カメが存在しない世界”って設定だったんでしたっけ?
Commented by odin2099 at 2010-12-13 21:32
>たおさん

そうなんです、この世界には亀はいないことになっているのです。
少なくてもパート2の頃までは・・・(苦笑)。
まあ正確には「いない」のではなく、「滅びた」ってことらしいですけれどね。
でもそういった細部へのこだわりが、作品の厚みになっている好例だと思います。

>「怪獣映画だし」って甘えも妥協も全くないのも見事。

仰る通りですね。

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