【徒然なるままに・・・】

odin2099.exblog.jp

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『ゼロの焦点』(1961)

挙式の一週間後、夫の憲一は前任地の金沢へと引き継ぎの為に旅立った。だが新妻の禎子に会社からもたらされたのは、憲一が突如行方不明になったという報せだった。憲一の足跡を追って禎子は急ぎ金沢へと発つが、その行方は杳として知れず、憲一が昵懇にしていたという取引先の社長夫妻に会うも、手掛かりは掴めなかった。
憲一の兄・宗太郎も金沢を訪れるが、今度は宗太郎も行方不明となってしまう。やがて宗太郎は死体となって発見された。
憲一の失踪と宗太郎の殺害、この二つを結びつけるものは・・・・・・?

e0033570_18345722.jpg松本清張の原作を、橋本忍と山田洋次が脚色、音楽に芥川也寸志を迎え、野村芳太郎が監督した作品。
出演は久我美子、高千穂ひづる、有馬稲子、南原宏治、西村晃、沢村貞子、加藤嘉、永井達郎ら。
叩きつけるような日本海の荒波、吹きつける雪・・・観ているこちらに寒さ、暗さ、厳しさがひしひしと伝わってくるモノクロならではの画面作りが印象的だった。

今は亡き銀座の並木座で観た一本で、予備知識も何もなかったもので、二転三転のどんでん返しは大いに楽しめたが、クライマックスでヒロインが唐突に謎解きを始めてしまい、それを受けて犯人が延々と自白してしまうという展開には興醒めした。

今回は犯人も結末も知って観直したのだが、やはり謎解き部分は不完全燃焼といった感が強い。伏線の張り方にもう一工夫欲しいし、これだけの内容を持つ作品を1時間半で映画化という企画自体に問題があったような気がしてならない。ただ女優陣の熱演もあって、映画としては決して飽きさせない。

さてこの作品を現在、広末涼子、中谷美紀、木村多江といったメンバーで再映画化中なのだが、これはかなりハードル高そうだ。
舞台は原作通り昭和30年代とするようだが、占領下にあって米兵相手に売春行為を行っていた女性たちの存在や、お見合い結婚とはいえ夫のことを殆ど何も知らない妻、という設定にリアリティを持たせられるか、難しいところだろう。
[PR]
by odin2099 | 2009-10-11 18:35 |  映画感想<サ行> | Trackback(2) | Comments(0)
トラックバックURL : http://odin2099.exblog.jp/tb/11337811
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from ネタバレ映画館 at 2009-10-13 11:19
タイトル : ゼロの焦点(1961)
 2時間サスペンスの原点のような映画でした。数ある2時間サスペンスのスタッフはロケや設定、編集技術をこの映画から吸収しているに違いないと思えるほどです。... more
Tracked from 月影の舞 at 2010-06-12 10:42
タイトル : ● 「ゼロの焦点」1961
「ゼロの焦点」1961 「松本清張映画ベスト10 DVD&BOOK 02 『ゼロの焦点』」 小学館/2009.11.11/3465円 1961年の作品。 今公開の「ゼロの焦点」を観て、 ムショーに旧作が観たくなって、 1961年作のDVDを思わず、買ってしまった。 脚本は... more

by Excalibur
ブログトップ