【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『タイタンの戦い』(1981)

この映画は1982年のお正月に、『レイダース/失われた≪聖櫃≫』とハシゴして観た。その後はTV放映の際にチェックした程度なので、観直すのは20年ぶりぐらいになるのかな。

e0033570_6354758.jpg人形アニメの第一人者レイ・ハリーハウゼンが、『アルゴ探検隊の大冒険』に続いてギリシャ神話を取り上げた作品。勇者ペルセウスが、何でも石に変えてしまう力を持つメデューサの首を手に入れ、海獣クラーケンを退治してアンドロメダ王女を救うという冒険譚で、ゼウス役のローレンス・オリビエをはじめ、クレア・ブルーム、マギー・スミス、ウルスラ・アンドレス、バージェス・メレディスらを配した、ハリーハウゼン作品には珍しい豪華なキャストが見物。
ペルセウスを演じたハリー・ハムリンは、現在もB級映画やTVドラマで活躍しているようだが、アンドロメダ役のジュディ・バウカーはどうしているのだろう?

得てして神話・伝説の英雄たちは数々の冒険をこなすものの、元々様々な伝承が混じり合ったりしているせいか、それぞれのエピソードが矛盾したり、前後関係が上手く繋がらなかったりとバラバラだったりするものだが、ペルセウスのお話も例外ではない。
しかし映画化にあたっては色々と脚色を重ね、神々を狂言回しに設定することで一本のストーリーへと変貌を遂げた。原典では、他の冒険の後にたまたま通り掛かってアンドロメダを救うペルセウスだが、映画版では当初からペルセウスの冒険の目的がアンドロメダを救うことになっている。

とはいうものの、実はこの映画、お話はあまり面白くない。脚本と本編演出が共に今一歩。豪華なキャストも活かしきれてるとは言い難い。
RPGよろしく兜、剣、盾などの武具・防具、空翔るペガサスや知恵袋としての機械仕掛けのフクロウなどのアイテムを入手するペルセウスだが、ちょっと使っちゃあ落としたり無くしたりと何とも勿体ない限りなのだ。
ジュディ・バウカーのお姫様も、可愛いといえば可愛いけどまるでお人形さんの如し(褒め言葉に非ず)。

しかしこの映画の魅力は、何といってもハリーハウゼンの特撮。
流石に当時のように純粋に感激は出来なくなってしまったけれど、それでも匠の技は充分に堪能することが出来た。
それにローレンス・ローゼンタールのテーマ音楽も捨てがたい。これまた輸入盤のサントラCDを購入したぐらいである。

ということで、何気にフェイバリットな一本、何故か現在リメイク版を製作中。
なんで今更リメイクなんかするんだろう? ギリシャ神話をやりたければネタは沢山あるだろうに、とリメイクの噂が出た段階から不安と不満で一杯だったのだけれども、予告編を観ると案外良い感じ。これならちょっとは期待出来るかなぁ。

ところでこの作品、ファミリー向け映画だと思っていると、アンドロメダ王女やペルセウスのお母さんダナエのヌードシーンが出てきたりでちょっとビックリ。ご家族でご鑑賞の際にはご注意を。

ちなみに金髪白人のアンドロメダ王女だが、母親のカシオペア女王共々エチオピア人ということなので、本来は黒人のはず。
絵画でも白人として描かれることが多いというのは、やっぱり人種差別なのかなぁ。
e0033570_6324443.jpg
これはギュスターヴ・ドレとエドワード・ポインターが描いたアンドロメダ。
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by odin2099 | 2009-11-24 06:37 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(2)
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Commented by pixytale at 2009-11-26 01:20 x
 古代ギリシャでいうところの「エチオピア」は現在のエチオピアではなく、アフリカ大陸全体を指していますので、必ずしもエチオピア人=黒人とは限りません。もっとも、黒人の皮膚の色がエチオピアのネーミングの由来ではありますが……

 ちなみに絶世の美女といわれるクレオパトラはギリシャ系のプトレマイオス朝の女王なので、これも生粋のエジプト人の女性とは容貌が違ったんでしょうねぇ。
Commented by odin2099 at 2009-11-26 07:56
伝承の由来については色々な説があるようですが、おそらく白人ではなかったでしょうね。
黒人といっても本当に鮮やかな黒の人もいますし、もっと薄い褐色の方もいらっしゃいますから。

クレオパトラも、自分たちとは違うエキゾチックな魅力を、権力者たちに振りまいたのかも知れません。
我々が外国人に憧れるようなものだったのかも。

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