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『交響曲ヤマト2009』

羽田健太郎作曲の「交響曲 宇宙戦艦ヤマト」が、四半世紀ぶりに復活しました。
指揮は初演同様、大友直人。演奏は日本フィルハーモニー交響楽団。

大友直人は今年5月、東京交響楽団を率いて東京芸術劇場とミューザ川崎シンフォニーホールの2箇所でこの曲の再演を行いましたが、CDが発売されると聞いた時は、てっきりこの時のライブ録音盤なのだろうと思っていました。
ところが結果は『宇宙戦艦ヤマト/復活篇』のサントラ盤扱いでの再録音盤ということで、演奏メンバーも様変わり。
オーケストラ自体が東響から日フィルに代わっているので、当然といえば当然ではありますが、ピアノは若林顕から横山幸雄に、スキャット(演奏会時にはヴォカリーズという表記だった)は安井陽子に代わって小林沙羅へ。
ただヴァイオリン・ソロだけは、東響のコンサート・ミストレスの大谷康子がそのまま務めています。

『交響曲ヤマト2009』_e0033570_6255698.jpgNHK交響楽団が演奏した初演時の録音と比べ、細部に亘ってその違いを詳しく解説されている方もいらっしゃいますが、逆に自分は四半世紀も経っていながら、その変わらなさに感動しました。
勿論N響盤はライヴ録音ですから今回の方が音がクリアになっているとか、演奏者(特にソロ)の優劣・・・は良くわかりませんが個性の違いは出ているでしょうし、聴く人が聴けばその違いは一目瞭然なのでしょうが、素人目ならぬ素人耳には殆ど同じに聴こえます。そのことが指揮者・大友直人の、この曲に対する解釈のブレのなさを表しているようで、作品と作曲者への熱い思いが伝わってきます。

ここに晴れて甦った「交響曲ヤマト」。
これを機に『宇宙戦艦ヤマト』というアニメーション作品を離れ、宮川泰そして羽田健太郎という偉大な音楽家が残した純粋な音楽作品として、今後もコンサートに録音に、と取り上げていって欲しいものです。

ちなみに前述の『復活篇』には、この「交響曲ヤマト」からも引用、流用されていますが、今回の再録音盤ではなくN響の初演盤のものが使われております。
そちらでのヴァイオリン・徳永二男、ピアノ・羽田健太郎、スキャット・川島和子という組み合わせは、やはり間違いなく「ヤマト」音楽の顔と言えるものですね。
by odin2099 | 2009-12-22 06:26 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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