【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『そして誰もいなくなった』(1945)

クリスティーの最高傑作との呼び声も高い『そして誰もいなくなった』は、これまでにも何度か映像化されていますが、これが記念すべき一本目ということになるようです。
監督はルネ・クレール。

e0033570_635892.jpg実は『そして誰も~』には小説版以外にクリスティー自身が手掛けた戯曲版もあり、映像化作品は基本的にこの戯曲版を元にしているのだそう。
そちらでは結末が変えられているそうですが、小説版しか読んでいないのでその違いはよくわかりません。

物語は陸地と隔絶されたインディアン島に、年齢・経歴のまちまちな男女十人が集められるところから始まります。これは原作通りですね。
そして「10人のインディアン」の童謡に准えて一人、また一人と殺されていくという展開も同じ。
でも、登場する人物は名前も含めて何人か変えられていますし、オーエン氏に告発されている内容も幾分異なります。これは戯曲版に準じているのか、それとも映画オリジナルの改変なのかはわかりませんが、少なくても小説を読んだ際に浮かんだイメージよりは、この映画の登場人物たちはかなり平均年齢が高いのは気になります(特に判事と医者は全然イメージ違いました)。

その後は小説とは違う、映像ならではの表現や、100分程度に物語をまとめる上での脚色を施しながら映画は進みますが、作られた時代のことを割り引いても、あまり緊迫感のある内容とは言い難いですね。
かといって犯人探しの興味で引っ張るという演出でもないのですし、ラストに至っては舌足らずの尻切れトンボに思えてしまいます。結局は「極限状態での男女のラブストーリー」だけがやたらと前面に出てきているような印象が残りました。
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by odin2099 | 2010-03-03 06:35 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
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