『誘惑』 松崎詩織
2010年 03月 04日
『堕天使の指先』というタイトルで「スポーツニッポン」に連載されていた小説をまとめたものだそう。
「友人をモデルに官能小説を書いている作家」をヒロインにした物語という二重構成になっている。エピローグ部分で、「ヒロインは自分自身なのでは」と問われ、それを否定するものの・・・と含みをもたせた終わり方になっている。
ただ作中に出てくるヒロイン(作家)は、自身のHPにエロティックな写真を掲載している、という件があるのだが、実はこの小説の本当の作者自身(こんがらがる表現だが)も自分のHPで同様な写真を披露していた(何故か最近削除されたようだが)。
となると尚更ヒロインと作者自身を同一視したくなるのは当然で、これは一種のメタフィクションなのだろうか。