【徒然なるままに・・・】

odin2099.exblog.jp

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『獄門島』(1977)

復員船の中で鬼頭千万太は、今際の際に「自分が帰らなければ、3人の妹たちが殺される」と戦友・天宮に言い残した。天宮からの依頼を受けた金田一耕助は、千万太の手紙を携えて瀬戸内海に浮かぶ彼の故郷・獄門島を訪れる。そこは海賊と流人の子孫が暮らす閉鎖的な島で、漁師たちの元締めの鬼頭家が、本家と分家に分かれて対立していることを知る。
千万太の通夜が営まれた晩、第一の事件が起きてしまう。千万太の末妹が何者かに殺害されたのだ。続いて第二の事件が・・・!

e0033570_21574432.jpg監督:市川崑、主演:石坂浩二コンビによる<金田一シリーズ>の三作目。
当初はシリーズ化の予定はなかったとのことだが、一年足らずの間に三本というハイペースで作られながらも粗製乱造の嫌いはなく、一定のクオリティを保っているのは流石というべきか。
序盤から第一の殺人が起こった後は、矢継ぎ早に第二、第三と事件が起こるテンポの良さは、二時間半近い長尺でありながら飽きさせない。

原作小説とは犯人を違えてあるとのことだが、比較的早い段階で見当はつくものの、その後はミスリードの罠に誘われ、訝しがっていると最後にはきちんと解決が図られる。
もっとも”見立て殺人”がそれほど上手く嵌っているように感じられないのと、犯人の動機が弱いこと、それに本来三姉妹を救う目的があった筈の金田一が、結局誰一人救えなかったという点は如何なものかと。
但し犯人の心情や周囲との関係を考えると、犯行が完遂されないと作品として成立しないのも事実だろう。

「よし、わかった!」の加藤武に、大滝秀治や小林昭二、三木のり平、草笛光子らお馴染みの顔、太地喜和子、司葉子、佐分利信らの圧倒的存在感の中にあって、大原麗子の凛とした美しさ、凄惨な事件を描く中で一服の清涼剤的存在の坂口良子の可憐さは光る。
後の市川監督作品の常連・浅野ゆう子はこの作品が初登場? 
クレジットに池田秀一(声でわかる)や荻野目慶子(こちらは言われてもわからないだろう)の名前があるのも愉しい。
[PR]
by odin2099 | 2010-03-21 21:58 |  映画感想<カ行> | Trackback(2) | Comments(0)
トラックバックURL : http://odin2099.exblog.jp/tb/12347649
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from プロフェッサー・オカピー.. at 2010-03-22 23:10
タイトル : 映画評「獄門島」
☆☆☆★(7点/10点満点中) 1977年日本映画 監督・市川崑 ネタバレあり... more
Tracked from いやいやえん at 2014-09-05 09:02
タイトル : 獄門島
【概略】 本鬼頭と分鬼頭が対立する獄門島へ来た、金田一耕助が、連続殺人事件にまきこまれる姿を描いた作品 ミステリー・サスペンス 原作とは犯人など一部違います。 三百年を通じて流刑の地とされてきた、海賊の棲家であった獄門島。俳句になぞらえた見立て殺人と、犯罪を操る黒幕の存在が不気味に迫ります。 司葉子、大原麗子、草笛光子、太地喜和子、女優陣の豪華さにはびっくり(浅野ゆう子がおきゃんな3姉妹の一人を演じている)。大原麗子、司葉子の美しさは桁違いで、そしてそれよりも和尚役の佐分利信がえ...... more

by Excalibur
ブログトップ