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『2人の夫とわたしの事情』

第一次大戦終結後のイギリス。
若く美しいヴィクトリアは戦争で夫ビルを亡くすが、その後夫の親友だったフレディと再婚。母親のシャトルワース夫人は度々娘の様子を見に来るし、戦争成金のペイトンはヴィクトリアを崇拝し、何かと彼女の面倒を見てくれているなど、2人の子供に囲まれながら幸せな生活を送っていた。
ところがそこへ、死んだはずのビルが帰国してくる。捕虜収容所に囚われていて、今まで連絡できなかったというのだ。
ヴィクトリアを巡って、ビルとフレッドのすったもんだの大騒動が起きるのか?
・・・と思いきや、何故か2人は互いに身を引き、ヴィクトリアを相手に押しつけようと・・・?
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ウィリアム・サマセット・モームの戯曲、本邦初演だそうです。
サマセット・モームといえば『人間の絆』や『月と六ペンス』で知られる作家・・・と知ったかぶりをするのは止めておきましょう。流石に題名ぐらい知ってますけど、読んだことないもんで。
ただ、他の作品と比較すると、この作品は異質なんだそうです。コメディ物を書くような人だとは認識されていないんですね。
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そのモームの戯曲を徐賀世子が翻訳、上演台本と演出を手掛けたのはケラリーノ・サンドロヴィッチ。
出演は松たか子、段田安則、渡辺徹、新橋耐子、皆川猿時、猪岐英人、水野あや、池谷のぶえ、西尾まり、皆戸麻衣。
『レンピッカ展』とハシゴして、連休中にBunkamuraシアターコクーンで観てきました。
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三幕構成で、間にはそれぞれ10分間の休憩を挟み、トータルで2時間40分。非常にテンポの良いお芝居です。
もう全篇笑いっぱなし。場内盛り上がってましたね。
ワガママ全開のヴィクトリアと、彼女に翻弄されるビルとフレディが滑稽を通り越して哀れではあるんですが、最初っから最後までハイテンションで、悪ふざけや際どいジョークも満載、ちょっぴりエッチでカラっと明るいから陰惨な感じはありません。

ちょっと力入りすぎかなあと思っちゃう松たか子の演技って、実は少々苦手だったりもするんですが、トータルの弾けっぷりは○。いや、◎だな。
段田安則と渡辺徹のコンビネーションの妙もあり、この作品、オススメです。

・・・ただし、観ていて結構疲れます。
役者さん、みんなエネルギッシュすぎるもので(苦笑)。
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Tracked from 華やぐ時間 at 2010-05-09 09:15
タイトル : 芝居  ” 2人の夫とわたしの事情 ”
松たか子のひさしぶりの舞台を 楽しみにして 観に行った タイトルがタイトルなだけに どんなシリアスな話かと深刻な気持ちだったけれど  ラブコメディで 客席は笑ってばかり   作 :サマセット・モーム   演出・ケラリーノ・サンドロヴィッチ   翻訳:徐 賀世子   出演:松たか子 段田安則 渡辺 徹 新橋耐子 皆川猿時 水野あや 池谷のぶえ西尾まり 皆戸麻衣   ヴィクトリア(松たか子)は戦争に行った夫ビル(段田安則)の戦死を知り 一年後 夫の親友フレディ(渡辺徹)と結婚する   成金の...... more
Tracked from 笑う学生の生活 at 2010-07-30 18:21
タイトル : ケラさんの舞台を
舞台「2人の夫とわたしの事情」を見た。 NHKで金曜11時ぐらいからやってました 戦争で夫を失った妻は夫の親友と結婚した しかし 亡くなったと思った夫が生きていて・・・ いかにもな設定を喜劇として描いている もともとは1919年発表...... more
Commented by 華やぐ時間 at 2010-05-09 09:20 x
TBありがとうございます
楽しいお芝居でしたね
松たか子の くりくりしたパワーが可愛いかったです
あそこまでわがままに出来るのは美人じゃないとダメなんですね
おおいに羨望ココロで 観てました (^。^;

Commented by odin2099 at 2010-05-09 11:33
ヴィクトリアはジコチューで、本当にイヤなキャラですよね(笑)。
ただそんな彼女を、観客に嫌われないだけのチャーミングな女性に見せるためには、演技力とは違った資質のようなものが必要な気がします。
そこらへん、松たか子は頑張っていたなぁ、と。
by odin2099 | 2010-05-08 23:17 | 演劇 | Trackback(2) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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