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『沈黙の要塞』(1994)

というワケで(?)、セーガル再見の第2弾。あ、今回もTVオンエアのエアチェック版です、念のため。
今度の舞台はアラスカ。セーガルの役どころは石油火災の専門家フォレスト・タフト。

『沈黙の要塞』(1994)_e0033570_2229975.jpgエイジス石油会社の採掘場で火災が発生。早速フォレストが出動して被害を最小限に食い止めるが、事故の原因に対して不審を抱き始める。
実はジェニングス社長が利益追求を最優先し、安全管理を怠ってきたが故の事故であり、またこの採掘では周辺の環境をも破壊していた。
フォレストの同僚パーマーは会社の不正の証拠を掴んだが故に殺され、今また秘密を知ったフォレストまでも会社は消そうとしている。イヌイットによって九死に一生を得たフォレストは、採掘施設を破壊するべく行動を開始する、というのがストーリー。

スティーブン・セーガルの監督・主演作ということで製作中から注目していて、さて”On Deadly Ground”という原題にどんな邦題を付けるのやら、と思っていると、なんと「沈黙の要塞」
前作が『沈黙の戦艦』と名付けて大ヒットしたからって、勝手に<沈黙シリーズ>をでっちあげるのも凄いと思ったけれど、石油採掘基地を掴まえて「要塞」とは、感心するやら呆れるやら。
しかも作品そのものも、相当困ったちゃんだったりするのである・・・。




 * * *
「つまんないのかよぉ?」と聞かれれば、即座に「いやぁ、そんなことはないよ」と否定は出来る。セーガルのカッコ良さは出てるし、爆破のスケールなどアクション面に関しては文句のつけようがないくらい。
「じゃ面白いの?」と問われると、「うーん・・・」。

環境破壊がテーマで、強烈な社会批判を正面切って堂々と行っているんだけど、内容的にはただドンパチやってるだけ。あれだけ派手に基地をぶっ壊しておいて、環境破壊反対もないだろう。
それにイヌイットによって魂の戦士として再生されたはずの主人公が、「現実を見ろ、暴力なしじゃ何も解決しない」と宣った後、ラストで説教垂れるのだ。「企業と政府の癒着が環境破壊の原因である」と。

アクションスターが初監督するにあたり、「オレはアクションだけじゃないんだぜ」ということを証明しようとした勇み足ってことなのかなぁ。
結局一番印象に残ったのは、エンド・クレジットでベイジル・ポールドゥリスのメロディーに乗せて映し出される、美しいアラスカの自然だった。

 * * *

と以前書いたけど、そうなんだよねー。
好きか嫌いかと問われれば勿論好きなんだけど、良い映画かと言われれば・・・ノー、だろうなあ。
ヒロインにジョアン・チェン、敵役にマイケル・ケインとは<沈黙シリーズ>随一のビッグネームの起用で、本人の意気込みはわかるんだけど、ねぇ。
Tracked from 竜騎士の映画魂 at 2010-08-01 18:55
タイトル : 沈黙の要塞
 環境汚染、イカンですよ!    今回紹介する作品は、我等がセガール御大出演の「沈黙の要塞」です。    大火災消火のプロ「フォレスト」(セガール)は、エイジス社の石油採掘所の火災を食い止めるが、そこで不自然な細工を発見。エイジス社の陰謀の一端を掴みかけるが、エイジス社はセガール、じゃなくてフォレストに刺客を差し向ける。    例によって。沈黙と付いているが、沈黙ではない沈黙シリーズ(ややこしいな)    今回のセガールは、消火のプロ、というか、爆破のプロ。そんな彼が、アラスカのエスキモーの人達と触れ...... more
by odin2099 | 2010-06-15 22:30 |  映画感想<タ行> | Trackback(1) | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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