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『機動刑事ジバン』(1989)

『機動刑事ジバン』(1989)_e0033570_2125850.jpg世界征服を企む悪の組織バイオロンは、奪い取った様々な物質や動物、それに攫ってきた子どもを融合させ、究極の怪物を生み出そうとしていた。
機動刑事ジバンは誘拐された子どもたちを助けるため、単身バイオロンの秘密基地へ乗り込むが、そこにはジバンキラーのマッドガルボやバイオノイドたちが立ち塞がる・・・!

TVシリーズ『機動刑事ジバン』の劇場用新作映画で、<東映まんがまつり>最後の実写ヒーロー作品です。
これ以降<まんがまつり>は<東映アニメフェア>と名前を変えることになったからですが、当時の自分のメモを読むと「これが最後の実写作品になるかも・・・」とありますね。
「実写物だけ3本立ての別番組なんか組まないだろうし」とも書いているのですが、これは後に(4年後に)<東映スーパーヒーローフェア>として実現。もっともこれも3年(3回)だけで終わってしまい、しばらく東映特撮ヒーロー映画は冬の時代が続くことに。
今じゃ年に数回、スーパー戦隊や平成仮面ライダーたちが銀幕で暴れていることを考えると隔世の感がありますが、これもいつまで続くことやら・・・。

さて、かつて『ロボコップ』という映画がありました。
『機動刑事ジバン』(1989)_e0033570_21264778.jpg日本のヒーロー物のエッセンスを見事に昇華、とか、日本のアイディアも金さえ掛けりゃ世界に通用することの証明、とか色々な言われ方をしましたが、時間もお金も掛けないのが日本なんですよね。遡ること10年以上前、『スター・ウォーズ』の時にだって同じようなことを言われてましたし。

また『スーパーマン』や『バットマン』が一般映画で、『ウルトラマン』や『仮面ライダー』が子ども向け、という規定も志が低いと思います。なんで初めから対象を限定しちゃうんでしょう。
また子ども向けに徹するなら徹するで、それなら子どもを連れてきた親も楽しめるようにどうして作れないんでしょうか?
まぁこの作品も、そんな中の一本だったりします。

『ロボコップ』は題名からして『ロボット刑事』と比較されたりしましたが、実際のところ、その設定は『8マン』ソックリ。デザインは「宇宙刑事」シリーズからの影響がアリアリですが。
そんな『ロボコップ』を、今度は逆にイタダいちゃって日本風にアレンジしたのが、TVシリーズの『ジバン』なのですが、そう考えると志低いですよね・・・。
『宇宙刑事ギャバン』、『宇宙刑事シャリバン』、『宇宙刑事シャイダー』、『巨獣特捜ジャスピオン』、『時空戦士スピルバン』、『超人機メタルダー』、『世界忍者戦ジライヤ』と続く<メタルヒーロー>、<ハイテクヒーロー>枠の8本目となります。

この作品は<まんがまつり>用に製作されたグレードアップ・ヴァージョン。
<まんがまつり>は名ばかりでちっともグレードアップしていない、TVの1エピソードよりも劣るんじゃなかろうか、という作品が少なくない中では健闘している部類です。

『機動刑事ジバン』(1989)_e0033570_12531135.jpgなんせタイトルロゴからTVとは別物。これは珍しいです。
先ず事件が起こり、ジバンが登場してから主題歌が流れ、タイトル、クレジットが表示され、後はひたすらアクションで見せていく凄さ。
アクションに次ぐアクション、畳みかけるテンポの良さ、肝心のお話がどっかへ行ってしまうくらいの演出のノリ。モンスターが何体も出てくる豪華さ。監督よりも、アクション監督の方に御苦労さま、と言いたくなる出来栄えであります。
主人公の田村直人を演じた日下翔平は劇場版の常で出番少なめですが(この方、今は弁護士・八代英輝のマネージャーを務めておられるとか)。

またそれを支える、数々の作品で使用され、その効果は保証済みの渡辺宙明の流用BGMのオンパレード!
元々第1話の時点から「宇宙刑事」シリーズや『大鉄人17』、『イナズマン』、『スパイダーマン』、『ジャッカー電撃隊』、『ジャスピオン』、『バトルフィーバーJ』などからの流用BGMがバンバン使われ、肝心の『ジバン』オリジナルBGMの存在が霞んでしまうなど非難されてましたけれど、この映画版も例外ではありません。
いいのかな・・・。

『機動刑事ジバン』(1989)_e0033570_12532583.jpg

by odin2099 | 2010-08-19 21:31 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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