人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『8人の女たち』(2002)

とある冬の日、郊外の屋敷にクリスマスのために家族が集まってきた。だが屋敷の主人マルセルは、背中にナイフを突き立てられ死体で発見される。
屋敷にいたのはマルセルの妻カトリーヌ・ドヌーヴ、娘のヴィルジニー・ルドワイヤンとリュディヴィーヌ・サニエの姉妹、マルセルの妻の母ダニエル・ダリューに、妻の妹イザベル・ユペール、それにメイドのエマニュエル・ベアールとフィルミーヌ・リシャール、そしてそこにマルセルの妹ファニー・アルダンが兄に会いにやってきた。
外部との連絡手段を絶たれ、雪に閉ざされた中、殺人犯はこの8人の中にいる。
互いに互いを探り合うが、各人の発言は二転三転し、隠された事実が次々に明るみに出て、事態は一層混乱していく・・・。

『8人の女たち』(2002)_e0033570_6234550.jpg原作は、今年に入って『罠』『W~ダブル~』という2本の舞台を見、気になる作家の一人となったロベール・トマの戯曲。
所謂”密室モノ”に分類されるミステリーだが、オチそのものは途中で読めてはくるものの、最後まで変化球を投げ続けてくるので気は抜けない。

セットやカメラアングル、それに演出は元が舞台劇だったことを思わせるものだが、どういう訳かミュージカル仕立てになっていて、8人の女優が1曲ずつ披露。
そのことからかコミカルな作品だと評している人もいるが、フランスを代表する豪華な女優陣の共演、華やかでゴージャスな画面とは裏腹に、かなり辛辣なストーリーで、圧倒されはするものの、後味は決して良くはない。
女優たちの共艶に酔うだけでなく、シニカルでアイロニカルなストーリーを肯定できるか否かで、この作品の評価は大きく変わってくるのではないかと思う。

それにしてもエマニュエル・ベアールは変わらないなぁ。
Tracked from 悠雅的生活 at 2010-09-14 23:16
タイトル : 8人の女たち
雪に閉ざされた家、8人の女たちと、殺人事件... more
Tracked from ヒューマン=ブラック・ボ.. at 2010-09-16 21:08
タイトル : 8人の女たち (2002年)
ヒューマン=ブラック・ボックス -映画のご紹介(82) 8人の女たち 久しぶりのフランス映画 「8人の女たち」 この豪華な顔ぶれは、なかなか 観れないぞ。でも....... 2002年のフランス映画。 jamsession123goは、カトリーヌ・ドヌーブファンとして、...... more
Tracked from 毎日が映画日和 at 2010-09-16 21:58
タイトル : 『8人の女たち』
クリスマス・イブの朝、一家の主が寝室で何者かに刺し殺されているのが発見される。容疑者は殺された彼の家族とメイドの計8人。疑心暗鬼に囚われた女性達はお互いの隠された秘密を暴露し始める…。 フランスを代表する8人の女優が競演するミステリー作品。ベルリン国際映…... more
Tracked from みるよむ・・・Mrs.の.. at 2010-09-27 14:59
タイトル : 8人の女たち
一家の主を殺したのは誰・・・? 8人の女たち デラックス版  2002年 仏 監督 フランソワ・オゾン 「あらすじ」は、上をポチッとしてアマゾンをご覧下さい。 管理人、仕事が本格的になってきてちょい多忙です。スミマセン m(__)m ・・・・・・・・・・・・... more
Tracked from いやいやえん at 2012-03-11 20:04
タイトル : 8人の女たち
サスペンス調の、常に正面を意識したような演劇タイプの映画でした。…けど、この主演8人のフランス女優たちが歌うわ踊るわ! びっくりしたよ^; 不倫に二股、同性愛、近親相姦、兄妹愛。もう果て無しの昼メロドラマも真っ青なドロドロの女たちの関係…のわりには、なんかこうちょっとどこかずっこけていて、そこが上手くドロ沼化を防いでおしゃれでドライにも感じられるのが不思議だった。 8人の個性的な女たちがそれぞれ本性をむきだしにしていく様子はおもしろおかしくもあり、女はコワイ!と思うところでもあり…。メイド役の...... more
Tracked from パピ子と一緒にケ・セ・ラ.. at 2012-03-14 00:09
タイトル : 8人の女(DVD)
フランスの鬼才フランソワ・オゾンが1950年代をイメージして一軒の家の中だけで展開されるサスペンス。オゾンなのでもちろん普通のサスペンスにはならず、奇妙な映画になっている。 ...... more
Commented by BC at 2010-09-18 05:30 x
エクスカリバーさん、おはようです。

この作品、懐かしいですよね。
物語自体は至ってシンプルで
フランス女優達のオールスター映画ではあったけど、
インテリアや衣裳のカラフルな色合いがまるでドールハウスのようにキレイで
登場人物の並び方などディテールにこだわっていて上質な趣きがありましたね。
Commented by odin2099 at 2010-09-18 08:55
前から気にはなっていたんですが、今回やっと見る気になりました(笑)。

豪華女優共演作ではあるんですが、誰も彼もが裏があり、そして怒涛のどんでん返し。
やはりストーリーで”魅せる”映画かなぁ。
他にもロベール・トマ作品があれば観たいんですけれど、日本じゃビデオやDVDが出てないみたいだし、TVでやってくれるとも思えないんですよね・・・。
by odin2099 | 2010-09-14 06:19 |  映画感想<ハ行> | Trackback(6) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur