【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『GODZILLA/ゴジラ』(1998)

ハリウッド版「ゴジラ」、10年ぶりぐらいに観直しました。
ずーっと「ゴジラ」シリーズ観直しをしてきたんですが、ここ1年ばかりお休みしちゃいましたけれど、これにて復活!・・・の予定。

そういや来年ハリウッドで2度目の映画化予定ですが、監督がギャレス・エドワーズという人に決まったようで。
この方、去年アメリカで公開された低予算SF映画で高い評価を受けた俊英だそうですが、無名の人にビッグバジェットを任せて大丈夫なのかという不安と、いやむしろ色の付いていない若手の方が思わぬ快作を撮ってくれるんじゃないかという期待と、その両方が入り混じっているのが今の心境です。

いや、その前に”前作”ですな。
e0033570_21464318.jpgこのローランド・エメリッヒ監督版、当然期待なんかしていなかったんですけど、ところが予告編の出来が良い
第1弾は全部撮り下ろしで本編使用カットなし、という大胆なもので期待を煽り、第2弾では本編の1シーンをほぼ丸ごと流用することで雰囲気を出し、そして第3弾は見せ場をじゃんじゃん詰め込んで盛り上げる、という戦法。しかも肝心のゴジラの姿は殆ど見せない、という戦略にすっかり乗せられ、ついつい「期待感」なんぞを抱いてしまったのが運の尽き・・・。

あれ、ゴジラじゃないよなあ、やっぱり・・・。

鳴き声はそれっぽいけど、デザインはまるで別物だし、放射能火炎も吐かないし、超スピードでひょいひょいミサイルをかわしまくり、それでいながら最後は通常兵器であっけなく殺されちゃうヤツを「怪獣王」とは呼べません。
百歩譲ってデザインや設定改変に目をつぶり、野心的な女性レポーターが特ダネ欲しさに元カレを騙す人間ドラマがかったるいのは置いておいたとしても、「怪獣」に魅力のない「怪獣映画」はないでしょ。面白ければそれなりに観ていられますけれど、『ジュラシック・パーク』の亜流のようなお話には捻りも何もありはしません。

亜流といえばこのお話、「ゴジラ」というよりその元ネタ的存在の『原子怪獣現わる』のリメイクだと言った方が、まだ納得出来るかも知れません。いや、そうなるとリドサウルスやハリーハウゼンに失礼かな。
結局は監督もプロデューサーも、「ゴジラ」の知名度を利用して好き勝手な映画作りをしただけなんでしょうね。

ご存知の通り・・・いや、今となっては知らない人の方が多いかも知れませんが、当初監督と発表されたのはヤン・デ・ボン、『スピード』で大ヒットを飛ばしたばかりの「今が旬」の人でした。ヤン・デ・ボンと親交のあった高倉健が出演?などと報じられたのもその頃の話です。
ところが色々あって結局降板しちゃったワケですが、その代わりにデ・ボン監督が撮ったのが『ツイスター』だと言われてます。

ウソかホントかその時のシナリオを流用し、予定していた出演者もスライドさせたとかいう話ですが(実際は『ツイスター』のシナリオはマイクル・クライトンなのでそれはないと思いますが、ただキャラクター設計などに活かされた可能性はあるかも知れません)、もし『ツイスター』で描かれる竜巻をそのままゴジラに置換え、竜巻チェイサーならぬゴジラ・チェイサーがクレイジーにアタックする作品になっていたとしたならば、今までのシリーズとは一味も二味も違う、ハリウッドで作った甲斐があったと言えるだけの物になっていたかもしれないと考えると残念ですね。

e0033570_214787.jpg続編を作る気満々のラストでしたけど、評判は芳しくなくそのままフェードアウト。新怪獣と対戦するとかキングギドラが登場するとか色々と取り沙汰されておりましたが・・・。
実は続編はTVアニメのシリーズとして作られ、何本か観ましたけど、これがなかなか「怪獣」していて面白かった記憶があります。放射能火炎を吐き、人類の味方となって他の怪獣と戦うというものになってましたっけ。

映画としてはその後、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ/大怪獣総攻撃』では「前世紀末(1998年)にアメリカにゴジラに酷似した巨大生物が出現した」「アメリカではゴジラと名付けられたが、日本の学者は認めていない」と言われてしまったり、挙句の果てには『ゴジラ/FINAL WARS』では「ZILLA(ジラ)」と名を変えて本家ゴジラと対戦する悪役にされてしまうなど散々。東宝サイドでも黒歴史なんでしょうか。今度は大丈夫なのかなあ。

それでもDVD買ったり、TV放映の度に観ていたり、とこの作品、5~6回は観ておりまして、迫害されればされるほど(?)シリーズの一本として認めてあげないと可哀想、というような心境になりつつあります。
ハリウッドと日本の「怪獣」に対する考え方が違うということもあるんでしょう。「怪獣」のキャラクター性を廃した『クローバーフィールド/HAKAISHA』が、好き嫌いは兎も角として良く作られているとは思いますし。
ともあれ、最後の「ゴジラ」映画が作られたのは2004年のこと。久しく新作にお目にかかっていないので、ハリウッド製とはいえ新作は楽しみです。

・・・いや、不安の方が強いかな。
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by odin2099 | 2011-01-06 21:55 |  映画感想<カ行> | Trackback(6) | Comments(2)
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Commented by maki at 2012-06-25 09:45 x
ゴッド・ジラでしたからね(笑)
「やっぱりマグロを食ってるようではダメだな」と一蹴されたとかどうとか。

怪獣ではなく恐竜パニック映画としてならそこそこ観れる出来だったと思います
Commented by odin2099 at 2012-06-25 22:54
>makiさん

あの爺さん、「ゴジラ」って言ってると思うんですが、吹替版だと思いっきり「ゴッドジラ」だとキャスターに言われちゃってますね(笑)。

まあ「ゴジラ」だと思わなければそれなりに楽しめる・・・かな?

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