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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『ゴジラ×メカゴジラ』(2002)

公開2日目と最終日の前日、計2回劇場へ。
興行的には前作『GMK』には及ばないながらとりあえず及第点ということらしいが、公開当初は活気がありながらも、併映の『とっとこハム太郎』が終わるとこちらを見ずに帰る親子連れが続出。そして公開終盤ではガラガラの場内という実情を、関係者はどう受けとめているものやら。

さて、シリーズ26作目となった今回の対戦相手はメカゴジラ。前作で人気のモスラやキングギドラを使ってしまったため、残る大物は限られている。
にしても前回の登場から9年ぶり4度目の登場、ちょっと消費のサイクルが早すぎやしないか。悉く新怪獣で失敗しているだけに知名度で勝負なんだろうが、過去の遺産で食いつないで行くジリ貧のシリーズ、というイメージは持ちたくない。

監督は前々作(『ゴジラ×メガギラス/G消滅作戦』)でデビューした手塚昌明。
過去の対ゴジラ戦において挫折を味わったヒロインが、新たな戦いの中で成長し再起を遂げる、というプロットも共通しており新鮮味には欠ける上に、この家城茜という新ヒロインが魅力薄。『×メガギラス』のヒロイン辻森桐子に比べても独自性を打ち出すに至っていない。

更に脇を固めるキャラクター群も今一つ描き切れず。特にメカゴジラ開発担当者の一人湯原博士の娘・沙羅との関り合いは中途半端。製作サイドではWヒロインを標榜していたのだが、無理矢理接点を持たせているかのように見える。二人の対立から和解に至る流れが不自然で、これならいっそオミットしてしまった方が茜のキャラが立ったのではないか。

これらの要因としては一時間半を切るという上映時間の短さもあるだろう。その反面弛れることなく一気に見せてくれるというのも利点で、単純に見ていて面白い映画には成り得ている。
ヒロイン茜は魅力に乏しいとは言っても、演じる釈由美子は充分に魅力的。珍しく3枚目を演じた宅麻伸や、渋い上官役の高杉亘、憎まれ役を嬉々として演じた友井雄亮、ビシっと締めて美味しい所を持っていく中尾彬・・・と役者は揃っていてそれなりに見せ場も用意されている。それだけに人物描写の浅さが余計気になる、というか惜しいのだ。

e0033570_2244352.jpgその映画をテンポ良く盛り上げた音楽は、同じく『×メガギラス』から復帰した大島ミチル。
何といっても今回は、『ゴジラVSビオランテ』以降初めて伊福部昭のメロディが流れないが全く問題なし。伊福部昭の呪縛を完全に断ち切った!とまでは言わないものの、実に堂々たる風格を見せ今後のシリーズへの新たな展望を感じさせた。はたして<21世紀版ゴジラのテーマ>として定着なるのか、続投を希望したい。

新たな展望としてはもう一つ、メカゴジラ(正式名称を”機龍”という)のキャラクター及び作品の世界観が挙げられる。第一作目の『ゴジラ』の存在を除いて毎回設定をリセットしている<ミレニアム・シリーズ>(『ゴジラ2000/ミレニアム』以降は便宜上こう呼ばれている)だが、今作品では『モスラ』『フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ』などゴジラ以外の作品ともリンクさせている。
ということはこの機龍をメインにした、対ゴジラに拘らない物語が構築出来得るわけで、続編もしくはスピンオフ作品の可能性が見えてくる。一つの岐路に立っているゴジラ、そのシリーズ活性化の一案として検討に値するのではないだろうか。

久しぶりに観直してみたら、すっげえ面白いでないの。
当時は毎年「ゴジラ」の新作が見られることを当たり前のように思っていたし、続けて見ていることから来る”飽き”もあったのだろうけれど、今は新作が絶えてトンと久しいだけに”餓え”があるからかも知れないが。

一定の興行成績を収めた<VSシリーズ>に比べるとあまりパッとせず、併映作『とっとこハム太郎』におんぶにだっこの状態だったこともあってあまり評価されていない<ミレニアムシリーズ>だけれども、連続ストーリーじゃないこともあって一本一本の完成度は結構高いと思う。

<VSシリーズ>はラストが投げやりというかお座なりというか、物語の途中でどういうわけかゴジラが去って行ってオシマイ、でも実は何も解決してないよん、というパターンが目立つのだけれども、<ミレニアムシリーズ>はゴジラを退治(?)するか、少なくても撃退して終わっている。まあ最初の『ゴジラ2000』だけは<VSシリーズ>の悪癖を引き摺ってる部分が無きにしも非ずだけれども。
シリーズとしての連続性は連続性として、やはり一本一本はきっちりと終わらせて欲しいので、その点だけでも<ミレニアムシリーズ>は買っているのだがなあ。

それにしても釈ちゃん、格好良い。
エネルギー切れの機龍に、東京中の電力を供給するシーンは、次々と停電になって行く描写も含めて今はドキッとさせられる場面になっちゃっているけれど。
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by odin2099 | 2011-04-22 22:46 |  映画感想<カ行> | Trackback(3) | Comments(0)
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