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『銀河鉄道の夜/Fantasy Railroad in the Stars』(2006)

イラストレーター、という紹介で良いのかどうかわかりませんが、アーティストのKAGAYAが宮沢賢治の世界に挑んだ作品。
自身のイラストをCGを駆使して映像化しており、脚本とCGがKAGAYA。音楽は実弟の加賀谷玲が担当。

『銀河鉄道の夜/Fantasy Railroad in the Stars』(2006)_e0033570_2248149.jpgプラネタリウム用の作品として作られたもので、手直しをしながら現在も各地で上映されているようですが、DVD版は上映時間が長い(通常版38分、短縮版28分に対し、DVD版は48分)など、別編集の短編映画と考えても良いのではないでしょうか。
なお、公式サイトには”監督”としてもKAGAYAの名前がクレジットされています。

純粋な物語の映像化ではなく、随所に大場真人による解説を含んだナレーションを挟んだ、いわば作品ガイド的な側面を持っていて、なるほどプラネタリウム番組なのだろうと思わせます。
キャラクターは一人も登場せず、物語の進行は桑島法子の朗読で行われるのが一般的なアニメーション映画と違う部分でしょうか。

以前からこの人のイラストには興味を惹かれ、この作品の画集も持っているのですが、”動く絵”も美しく素晴らしいものになっています。
作品の考察もかなり徹底して行われたようで、例えば銀河鉄道を引く機関車は、作品が書かれた当時に実際に宮沢賢治の故郷を走っていた岩手軽便鉄道の機関車をモデルにしているそうですし、星は三角標で表現されています。
そういった「こだわり」が大切なのでしょうね。
次は是非、プラネタリウム版も観に行こうと思っています。




by odin2099 | 2011-05-09 22:48 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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