『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 J・K・ローリング
2011年 07月 10日
待望のシリーズ第4弾。ボリュームはこれまでのざっと3倍。
ということで翻訳も初の上下巻での刊行となったが、読み始めると長さは気にならなくなりページを繰る手が早まって行く。
物語の構成も、これまでのような色々なエピソードが数珠繋ぎのように続いていくのではなく、三大魔法学校対抗試合を舞台に、ハリーとヴォルデモード卿との対決を軸にした連続モノの要素が強いことも、一気に読ませる要因の一つになっている。
その反面、これまでのような長閑さが影をひそめ、ある種の殺伐としたムードが漂っているのだが、これも全7巻というシリーズ全体の転換点だからなのだ、とも受け取れる。
それにしてもハリーの成長に伴って、ストーリーもどんどん加速して行く。
ああ、早く続きが読みたい。『ハリー・ポッターと不死鳥の勲章』の発売はいつ?
この頃は5巻のタイトルは「不死鳥の”騎士団”」ではなく、「”勲章”」と訳されていたのですね。
ハリーの初恋、ネビルの秘密(というか過去話)、ヴォルデモード復活に伴って大きく揺れる魔法界・・・とシリーズの中でもターニング・ポイントとなった一冊。
それにローリング女史、伏線の張り方とその回収の仕方は上手いですね。
続けて読んでいる今だからこそ、意外なところで意外な名前を再び目にしたりで感心させられます。
ところで上下分冊で出版された翻訳版ですが、携帯版は何故か合本になってます。
5巻以降は素直に分冊のままなのに。
おかげで携帯するには重いし分厚いしで手が痛いよ。