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『ダンス・ウィズ・エリシア/死すべき王子と幼き女王』 わかつきひかる

戦いに敗れた小国ラウナの王子ラウルは、女王の養子という名の人質として大国のローレシアへやってきた。しかし玉座で彼を出迎えたのはカタリナ女王ではなく、幼い少女エリシア。かつてはラウルの婚約者だった姫君だった。
エリシアの二人の兄は変死し、母である女王は人事不省。ローレシアは内密に王子二人の葬儀を行い、女王の病気を隠し、密かにエリシアを女王に立てていたのである。しかもエリシアには亡き父の寵姫フランソワーズが生んだ異母弟アルフレッドがおり、彼を国王に据えるべく、刺客の魔の手がエリシアに伸びていたのだ。
ラウルは義母であるエリシアを護るため、小姓として傍近く仕えることになったが・・・。

『ダンス・ウィズ・エリシア/死すべき王子と幼き女王』 わかつきひかる_e0033570_22474169.jpgジュブナイルポルノ作家”わかつきひかるの本ですが、こちらはポルノではなく純粋な(?)ジュブナイル、ライトノベルです。にしても、”ジュブナイル”と”ポルノ”って随分とかけ離れたイメージありますけどねえ。前者は子ども向け、後者は大人向け・・・と思っていたのですが、”ジュブナイル”って児童小説ではなく、ヤング・アダルト向け小説のことだったのか・・・ふむふむ。

しかしイラストの絵柄が絵柄だし(苦手なんだな、こういうの)、ヒロインは”つるぺたロリ姫”(と後書きに書いてある)で、妖艶な人妻(フランソワーズ)やエリシアの身の回りの世話をしている巨乳のメイド(ローズマリー)がラウルを誘惑したりと、直接的なシーンはないものの、かなり色っぽい内容。
本質的にはかなり暗くて重たい設定を持つファンタジーですが、その実ラブコメしているギャップが楽しい。

ちなみにヒロインが年下の義母という設定は、『侍戦隊シンケンジャー』にインスパイアされたものとのこと。
影武者・丈瑠を養子にして、志葉家当主を継がせた薫姫、このシチュエーションに”萌えた”そうで、でも全く違うテイストの作品に仕上げたあたりはプロの矜持でしょうね。
物語はまだまだ序盤、という感じなので続編にも期待大です。
by odin2099 | 2011-08-02 22:48 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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