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『ルパン三世/バビロンの黄金伝説』(1985)

劇場版「ルパン三世」の第3弾。
前作の『カリオストロの城』は興行的に成功したとは言い難いはずですが、TVで第3シリーズ(『ルパン三世PARTIII』)が放送されたりで、「ルパン」人気そのものは安定していると判断されたのでしょうね。

しかし実際の製作はかなりゴタゴタしていたようで、当初は押井守が監督すると発表されてました。確か宮崎駿の推薦だったように記憶してますけれど。
ところが押井監督は降板したんだかさせられたんだかで、急遽脚本は浦沢義雄と大和屋竺、監督は鈴木清順と吉田しげつぐにバトンタッチして、何とか完成させたようです。

『ルパン三世/バビロンの黄金伝説』(1985)_e0033570_2301880.jpg個人的にこの作品のキャラクターデザインが全く受け付けない、ということを差し引いたとしても、この映画、今回再見ですけれど面白いと感じる要素は一つもありませんね。
製作体制に余裕がなかったんでしょうけれど、謎解きは謎解きになっていませんし、山田康雄の熱演ばかりが妙に空しい、見事に破綻した映画かと。

バビロンの黄金がマンハッタンにある理由もサッパリですし、神様や宇宙人を絡めるのは流石に「ルパン」の世界観にはそぐわないんじゃないのかなあ。
余計なシーンや水増ししたようにしか感じられないシーンが沢山ある一方で、舌足らずなシーンもあるという、なんだか行き当たりばったりな感じがしてなりませんでした。

ゲスト声優も、塩沢ときはベテランらしい味を見せてくれていますけど、カルーセル麻紀とかおぼん・こぼんとか河合奈保子とかは聞いていて頭を抱えてしまいます。
河合奈保子、ファンだったんですけれど、主題歌を歌うだけに留めておけば良かったんじゃないでしょうかねえ・・・。
Tracked from 或る日の出来事 at 2017-03-12 15:57
タイトル : 「ルパン三世 バビロンの黄金伝説」
劇場版3作目。... more
Commented by マイケル村田 at 2017-04-21 22:54 x
この「ルパン三世 バビロンの黄金伝説」、大野雄二さんによる音楽や河合奈保子さんによる主題歌は良いけれども、同85年夏に公開された「オーディーン 光子帆船スターライト」と比較してしまうと…、作画面やストーリー設定、キャラデザ、キャラクターの扱いに関しては「オーディーン 光子帆船スターライト」の方が上手く熟して作っていますからね…。ゲスト声優においてもバビロンでは塩沢とき、おぼん・こぼん、カルーセル麻紀、河合奈保子、オーディーンでは加藤武と松橋登…。後、納谷悟朗さんと潘恵子さんが演じたキャラでも「バビロンの黄金伝説」よりも「オーディーン」の方が目立っていたかなぁ…?(あっ、すみません、なにか「バビロンの黄金伝説」と「オーディーン」の比較をしてしまって申し訳ありません…)
Commented by odin2099 at 2017-04-22 20:36
> マイケル村田さん

この頃は「ヤマト」からのファン、それに「ガンダム」からのファンもそれぞれ入れ替わりの時期、アニメブームも落ち着いて色々と過渡期だったんだな、と後になって思うようになりました。
送り手も受け手も次の一手が見えずに、どうしてよいのかわからない、戸惑いのようなものを感じます。
by odin2099 | 2011-08-13 23:02 |  映画感想<ラ行> | Trackback(1) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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