『銀河漂流バイファム/消えた12人』(1985)
2011年 09月 02日
TVシリーズは、植民惑星が異星人に攻撃され、取り残された子供だけで宇宙船に乗って旅を続けながら、囚われた家族や友人たちを救い出そうとする冒険モノで、ロボットの活躍よりは個性的な少年少女たちが協力し、時にはぶつかり、成長していくという流れが中心。
メインの子供たちだけで13人いるという大所帯ながら、各人が決して没個性になっていないという希有な作品でもあります。
”原案”として「富野由悠季」の名前がクレジットされてますが、初期プロットを出したのが富野さんだったというか、要するに『ガンダム』の没アイディアをこの作品に活かした、ということのよう。
どっちもモティーフが、ジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』だというのは有名な話だし。
で、TVアニメは第1話から見てますけど、熱心に見るようになったのは実は時間枠が異動してから。暇な学生だったもんで、むしろ夕方の方が見易かったんです。まだビデオも持ってなかったし。
それにしてもこの頃、金曜日は夕方から充実していたなあ。
『バイファム』見て、『魔法の妖精ペルシャ』を見て、『ドラえもん』を見て、『宇宙刑事シャイダー』を見て・・・と、おっと脱線。
視聴率はあんまり良くなかったものの人気は高く、放送終了後に先ず総集編ビデオが2本出て、その後に出たのが完全新作の本作。
まだレンタルビデオ屋さんなんかがあまりない時代なだけに、後になって同じサンライズ製のOVA『WWWAダーティペアの大勝負/ノーランディアの謎』と『装甲騎兵ボトムズ/ザ・ラストレッドショルダー』と一緒に、3本立てで劇場公開もされとります。
このOVAは完全な番外編。
とは言っても、シリーズ中のどこかに入るエピソードで、ちょっとしたサスペンス風味を漂わせながら、実は・・・というコミカル仕立て。TV本編では結構シリアスなお話が多いですが、ちょっとした息抜き、キャラクターを活かしたファンサービスといったところですね。以前一度見てますけど、今回も楽しく見られました。
というより、見ていて懐かしいというより、ドンドン作品世界に引きずり込まれて行くのを感じました。
ある時期、間違いなくロディやバーツやスコット、クレアやカチュアたちは自分の仲間だったんだなあ、という想い。
もう四半世紀以上前の作品だという感覚はありません。
今第1話から見直して、それでも夢中になれるかと問われるとギモンではありますが、それでも段々と気になってきちゃいました。
OVAはこの後もう一本作られ、更に10年ぐらい前に外伝となる新作TVアニメ・シリーズ『銀河漂流バイファム13』も作られてますが、これはどっちも見てません。
チャンスがなかったというのもありますけど、自分の中で『バイファム』は完結した物語だ、という意識があったんでしょうね。
どっちも最初のが大好きやったし、ことにバイファムのリメイクは最初をちらっと観ただけで、はて?再放送にしては妙な…と思ったきり観なかったから尚更疑問符を持ったままなんですが。
しかしバイファムのラストに近づくほど明確になる子どもたちのスタンス、大人たちの事情、ククトニアンという異星人たちとの接触や交流のスケールのでかさは鳥肌が立ちました。
「こういうSFが観たかった」たしかにそう思った。だから最初ので“完結した物語”とおっしゃるご意見、完全に同意です。
そういえばダーティペアもリメイクになるんでしたっけ?勘違いかしら。
テコ入れの一環だったのかも知れませんが、結果的にそれが効いていたのかも知れません。
芦田さんは『宇宙戦艦ヤマト』や『サイボーグ009』の印象が強いんですが、『Dr.スランプ アラレちゃん』以降は絵柄がガラっと変わりましたね。
『バイファム』はまあ良かったんですが、次の『超力ロボ ガラット』は合わなくてダメだったなあ。
この頃、週末の夕方に夢中になれるロボットアニメが多かったです。
暇な学生だったから集中出来たというのもあるんですが、『機甲界ガリアン』、『超獣機神ダンクーガ』、『蒼き流星SPTレイズナー』・・・。
全部途中打ち切りか、それに近い状況でしたが・・・・・・(苦笑)。
『ダーティペア』は・・・リメイクというより続編というか新シリーズ扱いで良いんじゃないかと思います。
ただ『ダーティペアFLASH』でしたっけ? あれはリメイクってことになるのかな。