【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『艶剣客/くの一媚薬責め』(2010)

町道場の師範を務める女剣士・冴島凛は、実は隠れお庭番。大奥に出回る死に至る媚薬の出所を探る密命を帯びていた。しかしその正体がバレて追手から逃れる際に、江戸に剣術修行に来ていた弥三郎という青年と出会う。凛は弥三郎に探索の手伝いを頼む。
弥三郎は凛から、最近大奥から宿下がりした呉服問屋の娘・お奈美を見張るように命じられ、彼女に接近する。そして彼女の口から中臈の深雪と廻船問屋・藤野屋の噂を聞きだすのだが、後日彼女は何者かに殺されてしまう。更に手掛かりを求める弥三郎と凛だったが、逆に二人に魔手が忍び寄っていたのだった・・・。

八神淳一の時代官能小説『艶剣客』を、セクシー・アイドル(こういう時に”AV女優”という肩書は何故か使われないことが多いですね)吉沢明歩主演で映画化したもので、監督は藤原健一、他の出演者は佐藤良洋、亜紗美、可愛りん、けーすけ、江藤大我、稲葉凌一ら。

e0033570_22203153.jpg読んだことはないのですが、シリーズの新刊が出ると書店で平積みされてることも多く(それだけ売れてるってことでしょう)、ちょっと気になる作品ではありました。
ある時、最新刊の帯に「映画化決定」の文字と「吉沢明歩・主演」の文字があり、さてどんな風になるんだろう?と思ったものですが、やはり予想通りの低予算作品、ビデオ映画の如きものになってしまいましたね。

まず知ってる役者さんが殆どいません。
まあこれは自分が不勉強なだけですが、時代考証を端から真面目にやるつもりがないのは良いとして、それもあってか画面が全体的に寂しいのは残念ですねえ。ロケ地もセットも工夫したのでしょうが、江戸の街中にも武家の屋敷にも大きな商店にも見えません。
撮影日数も3日くらいしかなかったみたいですが、こういう映画に、もっと時間とお金をかけたら、と夢想せずにはおられません。

吉沢明歩は結構好きで、笑顔は殆ど見せない役柄ですが、凛とした強さも凌辱される弱さも、それぞれ魅力的に見せてくれています。
しかしながら案の定、凄腕の女剣士には見えません。
カメラアングルで誤魔化してますが、剣の構えや腰の入れ方、足捌きなどまだまだ改善の余地はありそうですし、アクション・シーンも全て自分でこなしているようですが、ここはむしろスタントを起用して「これは凄い!」というシーンを一つくらいは入れて欲しかったような。

それに、主演でありながら彼女の出番が案外少ないのです。
物語を実際に引っ張っていくのは弥三郎役の佐藤良洋で、映画自体も彼のモノローグで進行して行きます。それはそれで良いのですが、もう少しアイドル映画的な側面があっても良かったかも知れません。
吉沢明歩は冴島凛にピッタリと語るなど、原作者は映画の出来に満足しているそうなので、これは幸福なことですね。
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by odin2099 | 2012-01-04 22:21 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
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