【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『人造人間ハカイダー』(1995)

e0033570_21565918.jpg『超力戦隊オーレンジャー』『重甲ビーファイター』と共に1995年の<東映スーパーヒーローフェア>で上映された一篇。
『仮面ライダーZO』『仮面ライダーJ』に続く3年目の<スーパーヒーローフェア>の目玉作品に、はたして何を持ってくるのだろうかと期待していたのだが、まさか『人造人間キカイダー』に登場した人気キャラクター、ハカイダーとは思わなかった。悪役で、しかも終盤の数話にしか登場しない、レギュラーというよりもゲスト的なキャラを主役に迎えた、スピンオフというか変則リメイク作品とは驚きである。

脚本は井上敏樹、監督は前二作同様に雨宮慶太。
音楽は太田浩一と木下伸司の連名だが、渡辺宙明が作曲した『キカイダー』の挿入歌「ハカイダーの歌」のメロディと、続編シリーズ『キカイダー01』で作られたBGM(通称「マリのテーマ」もしくは「悲しみのマリ」)もアレンジして使われ、オリジナル作品ファンへのサービスも図られている。

e0033570_23444060.jpgお話の方は、争いのない奇跡の街ジーザスタウン――その実体は反抗する者を洗脳、抹殺することで平和を維持している偽りの街――が「悪」、その秩序の”破壊者”として立ちはだかるハカイダーを「善」とすることで、単純にハカイダーを”正義のヒーロー”化させない工夫が施されている。
ジーザスタウンの治安維持を取り仕切る戦闘ロボット(ハカイダーの「弟」的存在)のミカエルが、実に石ノ森ヒーロー・テイストに溢れたデザインで、最終決戦では更に”赤と青に塗り分けられた”キカイダーを彷彿とさせる姿に変貌するのも、ただのお遊びではないのだろう。

反政府ゲリラの一員カオルを演じた宝生舞の凛とした美少女ぶりが眩しい限りで、ハカイダーの人間体リョウを演じたスッキリした二枚目の岸本祐二も悪くない。元老院議長グルジェフ役の本田恭章の演技は、好き嫌い分かれるところだろうが(自分は生理的に受け付けず)、そのデフォルメ具合も必要悪かと思うのだが、50分という上映時間の中では全てが消化不良で、前後の脈略なく唐突に語られる台詞や、飛躍したシーンとシーンの繋ぎは、子ども向け映画としても一般向け映画としても些か不親切過ぎる嫌いがある。後に30分近く長い<ディレクターズカット版>も作られているが、然もありなん。

ちなみにこの作品、繰り返し何度も見たような記憶があったが、メモからするときちんと見るのは劇場公開以来のようだ。道理で記憶がかなり飛んでいた訳である。
そしてこの作品が、石ノ森章太郎の生前に作られた最後のヒーロー映画とのことである。
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by odin2099 | 2012-06-14 21:07 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
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