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『カローンの蜘蛛』<トワイライト・サーガ>1 栗本薫

ジェイナスの禁忌に触れ贖罪の流離をしなければならなくなった<パロスの闇王国>の王子ゼフィールと、王子に付き従う草原の国トルースの貴族だった戦士ヴァン・カルスの冒険を描いたヒロイック・ファンタジーの前編。表題作「カローンの蜘蛛」をはじめ、「蛇神の都」「滅びの島」「暗い版図」「双子宮の陰謀」の5編を収録している。

『カローンの蜘蛛』<トワイライト・サーガ>1 栗本薫_e0033570_024393.jpg<グイン・サーガ>の外伝というか”枝サーガ”の一つで、グインらが活躍した時代より何千年か未来の話とのこと。ジェイナス(ヤヌス)、ドール、モスなどの神々や、パロス、トルース、カウロス、アグラーヤといった国の名に共通するものが見受けられるが、<グイン>と比べると魔道や魔術、魑魅魍魎が人々にとって近しい存在となっている。

文化や文明の点では両世界にさほどの差は感じられず、どちらかというと神々が直接介入してくる<トワイライト・サーガ>が過去世界、<グイン・サーガ>の方が開かれた神々が立ち去ろうとしている世界のように感じられる。同じ世界の過去と未来というよりは、やはり別世界の物語と捉えた方が良いのだろうか。
Commented by 久保田 at 2012-07-04 14:44 x
お。懐かしいです。
中学の頃に読みました。グイン・サーガを読み始めるのは大変だからこっちから…と思って読みました。
これと続く「カナンの試練」を持ってますが…ホラーっぽい読後感に、1回きりしか読んでないです。
また読んでみようかな。
Commented by odin2099 at 2012-07-04 21:54
<グイン・サーガ>をまったりと再読中なので、その合間にと思ってこれも再読しました。次はどうしようかな、「カナンの試練」を読みなおそうか、それとも<グイン>に戻ろうか、それともそれとも「パロスの剣」という選択肢もあるなあ、なんて。

ホラーっぽいのはあんまり気になりませんでしたが、JUNE趣味がなあ・・・(苦笑)。
ふざけてだけど、ゼフィール王子、カルスにキスしてるし。あー、気持ち悪い(爆)。
by odin2099 | 2012-07-03 21:29 | | Trackback | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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