『新版ホビット/ゆきてかえりし物語』(上) J・R・R・トールキン
2012年 11月 24日
この”THE HOBBIT”に関しては岩波書店からも『ホビットの冒険』と題した翻訳が出ており、そちらの訳文にはどうしても馴染めなくて・・・というのは以前に書きましたが、さりとてこちらも納得しているわけではない、のですが、一読してビックリ!
<改訳版>とは聞いてましたけど、かなーり訳文、訳語に手が入れられています。
「エルフ」は「妖精」ではなく「エルフ」、「ドワーフ」も「矮人」ではなく「ドワーフ」のまま。「ゴクリ」も「ゴラム」になってます。
エルロンドの館がある場所も「さけ谷」・・・と、これでは岩波版と差がなくなってきましたが、「ソーリン」が「トリン」、「ビョルン」が「ビヨン」と独自色は相変わらず。まあ色々な訳があっても良いですがね。
上巻は第7章までで、残り三分の一は膨大な注釈に頁が割かれていますが、さて映画第一部となる『思いがけない冒険』はどこまで描くのでしょう?
第二部は『スマウグの荒らし場』、第三部は『ゆきて帰りし物語』と題されていますので、分量としては霧ふり山脈でのゴブリンとの一件、ビルボがゴラムから指輪を手に入れるあたりまでかなあ。
ところでこの文庫版、評論社から出ている『指輪物語』の文庫版に合わせているんでしょうかね。並べてもあんま違和感ないし。