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『ハウルの動く城1/魔法使いハウルと火の悪魔』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

未刊行だった第3巻の翻訳版がようやく発売されることが決まり、それに合わせて1巻、2巻の訳文に手を入れたものが文庫化されるというので読み直しをしてみました。
読むのはこれが三度目になるんだろうと思いますが、前回読んだのが10年近く前だったもので、けっこう忘れてましたね。それでもスイスイ読み終えることが出来ました。

『ハウルの動く城1/魔法使いハウルと火の悪魔』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ_e0033570_21585956.jpgしかし改めて思ったのは、ソフィーが可哀想だってことですね。
いや、単に荒地の魔女に呪いを掛けられ…という展開のことではなく、結局のところ周りの皆は殆どがソフィーの境遇については知ってたわけですよね。ハウルはもちろんのこと、二人の妹もペンステモン夫人も。ソフィー自身が周囲に壁を作るタイプで積極的に打ち解けようとする性格ではないのもわかりますが、もっと早くに誰かが彼女に事情を説明するなりしてあげれば、と考えてしまうと何だかイラっとしてきます。それじゃあお話にならないよ、というのは重々承知の上ですが。

それに荒地の魔女は案外あっけないし、最後は急転直下でソフィーとハウルがラブラブなのもどうかなあという気もします。
なのでこのお話、面白いとは思いますが、好きか嫌いかと言われるとちょっと悩んでしまいます。

前回の感想はこちら
by odin2099 | 2013-05-20 21:59 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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