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「完結編」としての『ゴジラVSデストロイア』

先日<デジタルリマスター版>で1954年の第1作『ゴジラ』を観直しましたが、それで観てみたくなったのがこのシリーズ22作目『VSデストロイア』
2作目から15作目までの作品を「なかったこと」にし、1作目に直結するストーリーとして作られた1984年版『ゴジラ』を受け『VSビオランテ』から始まったシリーズは、<平成シリーズ>や<VSシリーズ>と呼ばれて一定の人気を得ましたが、トライスター版『GODZILLA』へバトンタッチするべく幕引きをすることになり、それで作られたのがこの作品。
併せて第1作からの「ゴジラ」シリーズ全体の完結編としても構想されています。


「完結編」としての『ゴジラVSデストロイア』_e0033570_17255617.jpg改めて感じたのは、ドラマ部分は結構しっかり出来てるんだなあ、ということ。三枝未希だけでなく、Gフォースの麻生司令官や特殊戦略作戦室の黒木ら、過去作品にも出ているキャラクターは、シリーズの重みを感じさせる描かれ方がなされているし、何といっても第1作のヒロイン山根恵美子の再登場が大きいですね。
「幸福に暮らせよ」が芹沢博士の遺言でしたが、結局恋人だった尾形とは結ばれなかったという設定は、1作目を見直した後だとすんなりと来ます。


その分残念だったのがデストロイアの設定、デザイン、造形、描写。
ビジュアル的には『ガメラ2』のレギオンの二番煎じに思えてしまうし、肝心のオキシジェン・デストロイヤーとの関係も劇中ではわかりづらいもの。
悪魔的風貌の最強怪獣というインパクトはありますが、ゴジラジュニアをいたぶってゴジラに怒りをぶつけられるなど、ゴジラのパワーを描くためだけの存在になっている気がしますね。
物語の構造上、最後は「ゴジラ死す」で終わらざるを得ないので、作中の色々なモヤモヤを全てぶっつけて、それを受け止めて消えていく存在として必要だったのでしょうけれど。


さて、新作『GODZILLA』公開が段々と近づいてきましたね。
これまでの処、あまりに評判が良いので逆に不安なのですが、なるべく早めに観てきたいと思います。先行上映とかないかなあ。

【ひとりごと】
公開からかれこれ20年近くが経つんですねぇ、つい最近の映画のような気がしますけど。
臨海副都心、まだ広々としてるし、携帯電話がでっかいでっかい…。


by odin2099 | 2014-06-28 17:29 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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