【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『宇宙刑事シャイダー/NEXT GENERATION』(2014)

ギャバン=十文字激(演:石垣佑磨)は、シャリバン=日向快(演:三浦力)が逮捕したガイラー将軍から、一連の模倣犯の背後にはホラーガールという共通の存在がいることを聞き出し、そのアジトへ乗り込むが、そこは既に蛻の殻だった。


そんな激にバード星への帰還命令が下る。銀河連邦警察のゴードン長官(演:藤堂新二)の娘ヒルダ(演:山谷花純)が、ホラーガールと結託した神官ポーにより誘拐されたというのだ。秘書官エリーナ(演:穂花)は激に、ホラーガールの捜索中止を命じる。


一方地球ではシャイダー=烏丸舟(演:岩永洋昭)が、運び屋である不思議獣ピタピタを単独で追っていたが、その積荷は何と誘拐されたヒルダだった。しかし自分を外した舟に納得のいかない相棒の女宇宙刑事タミー(演:川本まゆ)とのコンビネーションはかみ合わず、逆にピタピタの策略によりヒルダと繋がれてしまった舟は焼結もままならず、囚われの身となってしまう。


激は命令を無視し、今は銀河連邦警察のサイバー犯罪対策課に所属している大山小次郎と共にホラーガールの捜査を続行。手掛かりをつかんだ激は、快を巻き込んで地球へと向かい、真犯人に繋がる重要な手掛かりを入手。舟の態度にショックを受け混乱しているタミーも、シシー(演:桃瀬美咲)のアドバイスを受けて舟の行方を追う。


舟と繋がれたヒルダには、彼が受けたダメージが伝わってしまい危険な状態に。舟はピタピタを説得して医者に診せることを承知させ、とある診療所へと向かう。そこで一行を出迎えたのは、かつて初代シャイダー=沢村大のパートナーを務めていたアニー(演:森永奈緒美)だった。エジプトで考古学を学んだ彼女は、難民キャンプの実情に触れて医学へ転身していたのだ。


舟と切り離されたヒルダを連れてピタピタは不思議時空を発生させそこへ逃げ込み、舟はそれを追って不思議界へ。診療所へと駆けつけたタミーも、アニーの励ましを受け舟を援けるべく後を追う。二人の絆に、自分と大との姿を重ねるアニーだった。
舟は何故タミーを任務から外したのか、そして激と快が辿り着いた事件の真相とは――?!


e0033570_20544072.jpg二代目シャイダー=烏丸舟とタミーのバカップルぶりが楽しめる『宇宙刑事シャイダー』の新作Vシネマ。とはいうものの、事実上「宇宙刑事NEXT GENERATION」という前後編の「後編」なので、単独で観ることはお勧めしない。


ギャバンの活躍で幕を開け、「シャリバン」編「シャイダー」編と並行してギャバンのエピソードを見せ、クライマックスで3人の宇宙刑事が揃うという構成は、同じ坂本監督の『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGAMAX』が7人ライダーのエピソードで始まり、狂言回し的にWのエピソードを挟みながら「オーズ」編と「フォーゼ」編の橋渡しを行い、最後に勢揃いという構成なのに酷似している。


ハードボイルドなタッチで描かれた『シャリバン』とは違い、こちらはかなりのコミカルテイスト。『シャリバン』から続けて見ると、その落差に愕然となるのも確か。
烏丸舟は『シティーハンター』の冴羽獠や『コブラ』、タミーは『うる星やつら』のラムちゃんがモデルだというこの二人、アニメならいざ知らず実写では成立しづらいキャラクターだが、岩永洋昭の硬軟の使い分けが見事で辛うじて見られるものに。
後半では一転して重く熱いドラマが繰り広げられるだけに、この二人を温かい目で見守ることが出来るかどうかで、この作品を愉しめるかどうかも決まってくる。


川本まゆは『ハイキックエンジェルス』の時はもう少し可愛いイメージがあったのだが、役柄のせいかちょっとキツイ印象。もう少し愛嬌があると、バカップルぶりがもっと引き立つと思うのだが…。
今回のキーキャラクター、ヒルダ役の山谷花純は、監督が全幅の信頼を置くだけあって振り幅の広い難役を好演。これが3本目の坂本組参加だが、既に4度目となる次回作『白魔女学園2』の公開が待っており、また最近は他のドラマでも大いに注目されている若手の有望株だ。


出演者の中で最大の注目は、約20年ぶりに現場復帰となったアニー役の森永奈緒美だろう。伊賀電役・渡洋史の現役感とは比較にならないものの、その存在感は流石。沢村大役の円谷浩の出演が叶わない今となっては、二代目との引継ぎには欠かせないポジションで、メイキングで撮影風景を見た後だと、沢村大の写真に語り掛けるシーンは余計グッとくる。


復帰と言えばもう一人、「宇宙刑事」全作に出演した大山小次郎役・鈴木正幸の登場も嬉しい。『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』では唐突に名前だけ出てきていたが、今回は独特の訛りや十文字激を「激ちゃん」と呼ぶ口調など正に当時のイメージ通りの小次郎さん。ブランクを全く感じさせないのはプロの仕事だ。


『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』や『スーパーヒーロー大戦Z』には希薄だった「宇宙刑事」愛に満ちたこの二部作、受け止め方は様々でこれでもリスペクトが足りないとか、まるで別物で承服できないという人がいることも承知しているが、これを足掛かりとして更なる「宇宙刑事」の活躍を観てみたいと素直に思わせてくれるだけの熱のこもった作品にはなり得ていると思う。


3大宇宙刑事の母艦は今回も出てくるが、ブルーホークとかシャイアンといった乗り物は出てこないし、バトルフォーメーションだけで、最大のインパクトを与えるシューティングフォーメーションの出番は今回はなし。『シャリバン』編含めてそのあたりは次回作へ期待したい部分だ。
またコンバットスーツ含めて、3人とも装備が旧作のままなのも気になる。30年も経てば改良を加えたり、新兵器・新装備の類が登場してもおかしくないと思うが。


【おまけ】
ブックレットによれば、タミーは上原正三が好んで使う名前「民」「民子」(ギャバンの母親も一乗寺民子)から、シシーは上原正三が書いた『ウルトラセブン』の没脚本「300年間の復讐」に登場するトーク星人の妹シシー(アンヌと瓜二つという設定)から、ということで共に上原正三へのオマージュとのこと。
『ウルトラセブン』といえば、ピタピタが使った超絶興奮剤「メトロニア」は、メトロン星人由来だとか?!


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by odin2099 | 2014-11-08 20:55 | ビデオ | Trackback(1) | Comments(0)
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