【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『エヴリシング・オア・ナッシング/知られざる007誕生の物語』(2012)

e0033570_22373762.jpgイアン・フレミングが「007」執筆に至った動機、アルバート(カビー)・ブロッコリとハリー・サルツマンによる映画化の経緯、権利を巡っての訴訟問題、出演者との確執、カビーとハリーの不和、東西冷戦の終結、製作会社の経営問題、9.11同時多発テロの影響…とシリーズ製作の裏側を関係者の証言やプライベートフィルムなど貴重な映像、写真を交えて描いたドキュメンタリー。


コロムビア・ピクチャーズとMGM提供なだけに全編を彩る音楽は「007」シリーズのものだし、フッテージも本家のものを使用。
のみならずTV版『カジノ・ロワイヤル』や旧作の『カジノ・ロワイヤル』、『ネバーセイ・ネバーアゲイン』、『探偵レミントン・スティール』、それに『オースティン・パワーズ』(マイク・マイヤーズのインタビュー付)までもが使われているのに驚かされる。


インタビューされてるのもブロッコリ家やサルツマン家に所縁の人物(現在のシリーズ・プロデューサーであるバーバラ・ブロッコリやマイケル・ウィルソン含む)や、フレミングのかつての恋人やジョン・ピアーソンなどから、ルイス・ギルバート、ケン・アダムス、サム・メンデスらスタッフ、クリストファー・リー(フレミングの従兄弟でもある)、モード・アダムス、ジュディ・デンチ、ファムケ・ヤンセン、ロザムンド・パイクら出演者など多岐に亘っている。


そして何といってもジョージ・レイゼンビー、ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナン、ダニエル・クレイグの歴代ジェームズ・ボンド役者たち。
ショーン・コネリーが欠けているのは残念だが、他の5人が皆、かなり赤裸々な発言をしているのも貴重だろう。


ファンにとっては然程目新しい情報はないだろうが、シリーズが辿ってきた紆余曲折、苦難の道程がわかりやすく紹介されており、何よりも関係者の生の証言や”絵”の持つ説得力に勝るものはない。
ショーン・コネリーやケヴィン・マクローリーが多少なりとも”悪者”的な扱いを受けているものの、かといってシリーズの製作会社EONプロ(”EON”はこの映画のタイトルでもある”Everything or Nothing”の頭文字)やMGMの弁護をしている訳でもない、比較的中立の立場からの語り口には好感が持てる。


日本では第25回東京国際映画祭で上映されただけで、その後何度かWOWOWで放送はされているものの、一般上映やソフト化はなされていない。まことに勿体ない限りで、願わくばより多くの人に観て欲しいものである。
脚本・監督はスティーヴン・ライリー。


【ひとこと】
シリーズでお馴染みのガンバレル、この映画では合成によって6人のボンドが次々と現れ、一斉に銃をぶっ放すというトンデモかつ嬉しい趣向が…。


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by odin2099 | 2014-11-10 21:15 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
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