『アンジップト』(1994)
2015年 01月 10日
ファッションショーの内幕モノのドキュメンタリーであることに違いはないのだが、主人公はモデルたちではなく、当時の新進気鋭のデザイナーであるアイザック・ミズラヒ。彼が、酷評された前回のショーの汚名を挽回すべく、次のショーの準備を進める過程を追ったものだからだ。
インタビューを受けているというより、全編に亘って彼が色々とまくし立てる騒がしい映画という印象で、ファッション業界には全く無知なものだから業界の著名人が出てきてもふーんってな感じだし、専門用語が出てきてもチンプンカンプン。出てくるモデルさんがシンディ・クロフォードとかナオミ・キャンベルとかケイト・モスとか、流石に門外漢でも知ってるメンバーなので綺麗だなあと見とれるだけだった。
ただ映画も終盤に差し掛かるといよいよショーの開催も間近に迫り、ミズラヒ本人だけじゃなくスタッフからもピリピリした緊迫感が伝わってくるし、アクシデントに動揺する姿など劇的な展開を迎える。そしてショー当日の表と裏。この時のショーはステージに紗幕を張り、その後ろ側でモデルたちが着替えている姿を観客に見せるという大胆なもので、カメラは客席と舞台裏双方を行き交い、弥が上にも臨場感を盛り上げる。ここら辺りが副題に「裸のスーパーモデル」と謳った所以なのかも知れない。そしてショーが大成功した翌日、映画は幕を閉じる。
自分向きの映画では決してなかったが、何かに打ち込んでいる人々の群像劇という点では大いにそそられる題材ではあった。