『ウルトラマンZOFFY/ウルトラの戦士VS大怪獣軍団』
2015年 02月 07日
第三次ウルトラブームの時には『ウルトラマン』をベースにした再編集映画が2本作られ、倉庫に眠っていたあのタイ映画『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』まで引っ張りだし、『ザ・ウルトラマン』『ウルトラマン80』という新シリーズ製作にまで漕ぎつけたものの、その盛り上がりはわずか2~3年という短期的なものでした。
これはブームの中心にいたのが高校生、大学生、社会人といったマニア層だったのに対し、製作サイドはあくまでも従来の視聴者層である幼児や小学生向けに作品提供をしたからではないのかな、と思っています。この頃既に小学生は「ウルトラマン」に関心を抱かなくなってきていましたし、色々な意味で読み違えていたのでしょう。もっともマニア向けの作品作りをすればブームが持続したかと言えば、それもなかったでしょうが。
その数年後、再び巡ってきた第四次ブーム。今度は『ウルトラセブン』の劇場版でも作るのかしらん?と思っていたところに発表されたのが、この『ウルトラマンZOFFY』。今度はシリーズ全部(アニメの『ザ・ウルトラマン』を除いて)からのピックアップで、ドラマとしてではなくカタログムービーとしての構成でした。
第一次ブーム世代だけでなく、第二次ブーム世代もそろそろ親になり始める頃で、ファンもすっかり入れ替わった頃、まだまだビデオもそれほど普及していなかっただけに、『ウルトラQ』からのシリーズを俯瞰出来るこの作品の存在意義は大きかったと思います。マニアであればあるほど、その内容には不満が残るでしょうけれども……。
結局この時のブームは幻に終わり、もう一本の限りなく新作に近い再編集映画の製作で終わり。新たなウルトラマンを誕生させるには至りませんでした。
あれから30年、今だったらTV番組を強引につぎはぎしただけのものを、「新作映画」として劇場公開するのは許されないでしょうね。何らかの付加価値を付けるか、あるいはオマケ扱いとでもしない限り。
ただここら辺りで一度、シリーズの歴史をまとめるような作品を作ることは必要かな、という気もします。TVの特番か、あるいはビデオ作品などとして。