『機動戦士ガンダムIII/めぐりあい宇宙編<特別版>』(2000)
2015年 03月 31日
三部作最終章までたどり着きました。
『ガンダム』三部作は途中でキャストの交代があり、例えば1作目と3作目ではデギン、ドズル、ドレン、ワッケインらの声が違っていて、続けて観ているとかなり違和感があるのですが、この<特別版>ではまとめてアフレコをしていることもあって三部作で異動はなし。
これは結構大きな<特別版>の利点だと気付きました。
またエンドロールに流れる曲も全て主題歌で統一されているので、実際の画面に合う合わないはともかくとして、パッケージとしての統一感は高まっています。
相変わらず不思議なBGMの使い方は『ガンダム』を観ている気分を削ぎますが、一方で全く新しい作品を観ているかのような錯覚ももたらします。
お馴染みの科白も、ニュアンスを変えて喋られると何か新しい言葉を聴いたかのような閃きが。
ということでこの<特別版>、色々な可能性を秘めた挑戦であったとは言えるでしょう。
ただ後に続く作品が今のところないので、はたして商売として成立するかどうかはまだまだ不透明ですね。
『ガンダム』に匹敵するコンテンツとしては『宇宙戦艦ヤマト』や『新世紀エヴァンゲリオン』、『超時空要塞マクロス』などの名前を上げることが出来ると思いますが、それぞれ追随することなく独自の戦略のもと、商品展開をしているようですし。
今回の『めぐりあい宇宙』編で、アムロは父テム・レイと再会します。
酸素欠乏症にやられたその再会は、ある意味で母カマリアとの再会以上に残酷なものと言えます。
アムロは父に別れを告げ、父のその後がどうなったかははっきりと語られません(ノベライズなどによれば死んだとするのが定説のようですが)。
これが何だか認知症の親と、その介護に疲れた子供の姿とダブって見えてしまいました。
軍人である以上、例えアムロが望んだとしても父と暮らすことは出来なかったでしょうし、ガンダムの戦果を期待するテムもそれを望まないとは思いますが……。
<オリジナル版>の記事はこちらから。