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『宇宙戦艦ヤマト2199/星巡る方舟<Blu-ray ver.>』(2014)

『宇宙戦艦ヤマト2199/星巡る方舟<Blu-ray ver.>』(2014)_e0033570_00045848.jpg全体の三分の一をリテイクしたというソフト化ヴァージョン、でも正直言っちゃうとどこをどう直したのか良くわかりませんでした。それだけ細かく手を入れたってことだろうし、逆に「全く別物」にならなくて良かったというべきなのかな。


さて、久しぶりに観直してみましたが、中盤でだれるとはいえ最初の30分と最後の30分は燃えますね。
和やかなヤマト艦内の描写も良いですし、艦長代理な古代くんはなかなか新鮮。それも旧作古代のような猪突猛進型の指揮ではなく、ちゃんと周囲が見えている感じが出ているのも良いです。これを真田副長がサポートしているワケですから、沖田艦長には遠く及ばないにしてもなかなか安心できる布陣ではないかと思います。
雪と再会してラブラブになり、守兄さんの消息も知り、あとは一路地球を目指すだけという古代くんは、シリーズ中で一番気力体力ともに充実してるタイミングだったでしょうしね。


この時のヤマト艦内シフトもなかなか興味深いものがあります。
事件勃発当初、古代も島も雪も相原も非番で、真田も席を外しています。ということで第一艦橋勤務なのは南部と北野、市川、岬→西条、林、山崎…と二軍メンバー。クライマックスバトルの時も徳川は機関室に詰めっ放しで山崎が第一艦橋にいますし、古代と真田は指揮を執ってますから一軍半といっても良いでしょう。メインクルーが常に第一艦橋勤務だった旧作との違いが出ていて、これも面白い試みだと思います。


対するガトランティスは、理知的な雰囲気も醸し出していた白色彗星帝国の面影はなく、正に蛮族。
大都督とか丞相とか呼ばれてるのを聞くと「三国志」を連想しちゃうとこですが、キャラ的には北欧のヴァイキングっぽいところがあったりでガミラスとの差別化は図られてます。
ちなみにワープアウトしてくるガトランティス艦隊の描写って、白色彗星のイメージ?


この映画で良くわからないのが、大和ホテルの設定。
戦艦大和がその内部の豪華さから「大和ホテル」と揶揄されていたというのはかなり有名な話で、桐生美影の台詞にもそれは出てきますが、舞台となる建物自体は美影も以前訪れたことのあるホテルの記憶から再構成されたと思しきもの。
となるとそれはどこなんだ?というワケでして、これは大連賓館(旧大連ヤマトホテル)とかの実在するホテルなのかなあ???


その大和ホテルでの共同生活で芽生えたガミラスとの絆。
これなら、イスカンダル星とガミラス星に危機が迫り救助に向かうヤマトとか、古代とバーガーが共闘して敵に当たる、なんていう『新たなる旅立ち』のような展開も期待出来そうですねえ。山本とメルダが機体を並べて飛ぶシーンもありそうだし。でもそれならメルヒは生かしておいて欲しかったもんですが。


音楽についてもひとこと。
シリーズの音楽は「宮川泰」と「宮川彬良」がハッキリと分かれていました。
親子とはいえ二人の音楽はかなり違いますし、もちろんオリジナルを知っているからというのもありますが、聴いていてこれはどちらの曲かがすぐにわかります。
ところがその溝が埋まって来たなあと感じたのは第七章、具体的には「碧水晶」のメロディーを聴いた時でした。新曲でありながら「ヤマト」らしいと感じられたのです。
そして今回の『星巡る方舟』では、遂にその境目は無くなり渾然一体とした「宇宙戦艦ヤマトの音楽」、言い換えれば「宮川家の音楽」が完成したと言っても良いでしょう。聴いていてどこからどこまでが「宮川泰」、どこから先が「宮川彬良」なのか、判然としない完成度の高い楽曲がここに誕生したのです。


このソフトの売上如何によっては「次」もあるというような話ですが、流行のサイクルは年々短くなってきてるように思いますし、もしやるなら今年中に決断して第一報を流すくらいでないと、作品の勢いは持続しないでしょう。
作品の完成度の為には2年ぐらい間を置いた方が良いのはわかりますがね。


【ひとりごと】
沖田艦長、日本語詞版の「わかれ」、ちゃんとレコード持ってるんじゃん。
勿体ぶらずとも…。

『宇宙戦艦ヤマト2199/星巡る方舟<Blu-ray ver.>』(2014)_e0033570_19261317.png
<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/22657591/
http://odin2099.exblog.jp/22699944/
http://odin2099.exblog.jp/22718450/


Tracked from ぼやき部屋 at 2015-06-04 13:53
タイトル : ぼやきレビュー@宇宙戦艦ヤマト2199/星巡る方舟
作品に対しては、ぼやくほどのこれと言った感想はありませんが、キャラクターに関しては先ずは古代がめっちゃ艦長代理っぽい活躍をしてて驚きました。状況判断の素早さが素晴らしいです。それとこの頃気力が充実していることを表しているシーンがあり、シフトによる交替で第一艦橋を後にする際にレーダー手の岬百合亜と会話しているところ。何気ないコミュニケーションを取りながらさりげなくシフト確認をし、この後展望室で雪と会うというプライベートでの充実振りを見せている。クッソ、リア充古代めwww 次に通信機を持った相原くん...... more
Tracked from みはいる・BのB at 2015-06-22 20:41
タイトル : 『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』('15初鑑賞47..
☆☆☆☆- (10段階評価で 8) 6月13日(土) Blu-ray Disc にて自宅で鑑賞。... more
Tracked from だらだら無気力ブログ! at 2015-06-22 21:25
タイトル : 宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟
バーレンの爺さんも生きていたとは。... more
by odin2099 | 2015-06-03 00:06 |  映画感想<ア行> | Trackback(3) | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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