『信長・曹操殺人事件』<歴史探偵・月村弘平の事件簿> 風野真知雄
2015年 07月 30日
イケメンの歴史研究家・月村弘平とその恋人の女刑事・上田夕湖のコンビが活躍する、というほどバディ物の雰囲気はないものの、やはり事件解決は一方だけの手柄ではないだろう、というシリーズ3作目。
今回は、織田信長の人生は曹操を真似たものだった、という説を唱えた若き大学教授が次々に事件に巻き込まれるというお話で、前2作があちらこちらで起こった事件に共通性は?というところから始まっているのに対して、今回は一貫して大学教授がターゲットというか中心にいるという構成が目新しいところ。
目新しいといえば、信長と曹操が似てるというのは結構有名な説なのかな。
自分は二人の共通性など意識したことがなかったので、これは面白い着眼点だなと最初に書名を見た時には思ったものだけれども…。
事件のオチはちょっと安っぽいというか、手軽にまとめちゃったなあという印象だけど、キャラクター小説として読むとちょっと違ってくる。
一作一作が独立しているのでそれほどシリーズを意識しないで読んでいたのだけれども、月村と行動を共にする機会の多い元アイドルで旅行会社のツーリスト・川井綾乃が月村に急接近?とか、今回のゲストキャラの女優にも惚れられたりと突然のモテキャラ化!
他にも脇のレギュラーキャラが増えてきたりで、シリーズとしては軌道に乗ってきたところだろうか。