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あらゆる宇宙 あらゆる愛 あらゆるアニメを超えた…?『超銀河伝説』

35年前の今日がこの映画の公開日でした。
(前回の記事はこちら

あらゆる宇宙 あらゆる愛 あらゆるアニメを超えた…?『超銀河伝説』_e0033570_19223561.jpg見直す度に「つまんないな」と思ってしまうんですが、誰が何と言おうと好きな作品です(多少意地になっている)。
キャラクターデザイン、意外に石ノ森章太郎っぽくない部分もあるんですが(メインだとフランソワーズとか)、それでも当時の東映動画は、おそらく唯一TVシリーズを何本か並行して作りながら長編作品を量産出来るだけの組織力を持っていて、その作画力は安定しているので見応えはあります。
これはその直前まで放送していた東映=サンライズ版のTVシリーズの作画レベルと比べれば一目瞭然。
あれもあの頃にしては石ノ森タッチに近いデザインではありましたが、実際に出来上がった作品を見るとちょっと…でしたからね。

イシュメール号の地球接近のシーンが『未知との遭遇』っぽかったり、コマダー星から来た少年サバを初めて見た時に004が「エイリアンだ」と言ったりというのが目新しいところでしょうか。
その前年に『エイリアン』が公開され、宇宙人・異星人の新しい呼び名として定着しかかってる時期でしたねえ。

それにしてもキャッチコピーは勇ましいものの、実際に出来た作品は何ともスケール感のないものに。
スターゲイトを越えて一気に40万光年先へ。
40万光年って『ヤマトよ永遠に』と同じですなあ。
あ、そういやどっちもラスボスが大平透だ。
この大帝王ゾア率いるダガス軍団というのもなんとも小さな組織で、尖兵を率いてくるガロは第一軍団長という肩書。
ということは第二軍団とか第三軍団とか色々いそうなんですが、部下として出てくるのはこの人のみ。
単にゾア自身が強大過ぎるだけなんですかね。

またゾアをサイボーグにしたのは、00ナンバーたちと対比させたかったんでしょうけれど機能せず。
004をピックアップしたのはファンに迎合した結果だと思いますけど、これも今一つだったみたいです。
そしてラストの004復活。
TV放映の時には不評だからカットされたという記述をよく見かけるんですが、これって単に放送枠の関係で切り詰めなきゃならないから、本筋に関係ない部分が選ばれただけじゃないのかしらん?
ああ、段々と作品が不憫になってきた…。

【ひとりごと】
音楽担当はTVシリーズに引き続いて すぎやまこういち。
新曲を書き下ろしてますが、足りなかったのかTV版の音楽も流用してます。
しかしそれなら最初からTV版をベースに追加すれば良かったんじゃないのかなあ、と思いますね。
馴染みのあるメロディーの方がファンも喜ぶだろうし。

【ひとこと】
TVシリーズ延長案として出されて没になった「ミュートス・サイボーグ編」を2時間で劇場版にアレンジ、という選択肢はなかったのかなあ。
by odin2099 | 2015-12-20 19:24 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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