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『パディントン』(2014)

『パディントン』(2014)_e0033570_19361517.jpgペルーを訪れた冒険家が、言葉を喋るクマの夫婦と仲良くなる。そして40年後、ペルーから一頭の密航者が現れた。この夫婦に育てられた甥っ子のクマだ。偶然通りかかった旅行帰りのブラウン一家にパディントンと名付けられた彼は、しばらくブラウン家に居候することに。
礼儀正しく紳士的でありながら、失敗を繰り返すパディントンだったが、最初は迷惑がっていた一家も徐々に親しんでいく。
だがこのパディントンを執拗に付け回す謎の美女が現れた…?!

マイケル・ボンドの『くまのパディントン』を原作とした映画ですが、いやー、パディントンが可愛かったです。
アニメーション映画にするのではなく、CGとアニマトロニクスでパディントンを表現、このモフモフ感はなかなかのもの。

一見堅物だけどやる時はやる、頼れる一家の大黒柱のブラウンさん。
大らかで広い心を持ったお母さん、ブラウン夫人。
ちょっと反抗期だけど、根は素直で語学の天才・長女のジュディ。
好奇心旺盛でなんでも組み立てちゃう弟のジョナサン。
片付けの名人で一家の親戚にあたるバードさん。
そしてそこに居候することになるパディントン。

異世界からやってきた奇妙な友人との同居生活、というと何やら藤子不二雄の世界みたいですが、パディントンには特殊な能力はないものの藤子作品と共通する雰囲気はあります。

悪役として出てくるのはブラウン一家の隣人のカリーさん。
ただ彼は気難し屋ではあっても根っからの悪い人というワケではなく、最後にはパディントンを助けてくれることになるというちょっと美味しいポジション。

そして謎の美女ミリセント。
彼女は博物館の剥製担当として珍獣を密かにコレクションしていて、次なるターゲットはなんとパディントン。
実は彼女、例の探検家の娘で、この探検家はペルーから帰国後に世紀の大発見となるはずのクマのことを、彼らの身を案じて伏せたが故に名誉を失い、彼女もどん底の中で育ったことからクマの一家を逆恨み。
なので単なる冷酷非情なワケでもなさそう。
こういったキャラクター設定も、何だか藤子作品っぽいといえなくはないですな。

『パディントン』(2014)_e0033570_19363086.jpgというワケで日本でも受ける要素が沢山あり、実際に見た人の評判も上々のようですが、なんで日本公開は1年以上遅れたんですかね。知名度やら何やら日本じゃ分が悪いと思ったのかなあ。
日本でも40年近く前から翻訳が出てるので、結構人気のある作品だと思うんですが。
また本国でもヒットしたようですけど、今のところ正式な続編の話は聞こえてきませんね。
もう一本くらいパディントンのお話、見てみたいなあ。子役たちが成長する前に。

ところで本筋とは直接関係ないですが、劇中でなかなか笑えるのはニコール・キッドマン扮するミリセントがブラウン家に忍び込むシーン。これが「ミッション:インポッシブル」のイーサン・ハントそっくり。
イーサン・ハントといえばトム・クルーズ、トム・クルーズといえばニコールの元の旦那。ということはかなりキワドイ捨て身のギャグですが、よくやったなあ。
と思ってるとクライマックスではパディントン自身がイーサンのアクションのパロディに挑戦。
ご丁寧にこちらでは「ミッション:インポッシブル」のテーマもチラっと流す凝りよう。スタッフに好きな人がいるのかね。

最後に、今回は時間の都合で吹替版を見たんですが、これがタレント吹替としては上出来の部類。
古田新太と斉藤由貴は文句ないし、心配していた松坂桃李のパディントンも想像以上の好演。
「ジュラシック・ワールド」では最悪だった木村佳乃も今回は許せます。まあ台詞の数も少ないし、ゆっくり喋るシーンが多かった(あちらは早口で専門用語をまくし立てるシーンがあったし)からというのもあるんでしょうけど。


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タイトル : パディントン
監督:ポール・キング 出演:ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベント、ーター・キャパルディ、ニコール・キッドマン、ベン・ウィショー、マデリーン・ハリス、サミュエル・ジョスリン、マイケル・ボンド、マット・ルーカス、ジュード・ライト、ケイヴァン・ノヴァク、イメルダ・スタウントン、マイケル・ガンボン 【解説】 長年世界中で愛されている、マイケル・ボンドの児童文学「くまのパディントン」を実写映画化。見知らぬ国にやって来たクマが親切な家族と出会い、パディントンと名...... more
Commented by ふじき78 at 2016-02-14 17:44 x
> 何やら藤子不二雄の世界みたいですが、

藤子Aの方だとお父さんが落ちてしまい絶命。逆光でパディントンがミリセントに囁く「ウ・ラ・ミ・ハ・ラ・サ・デ・オ・ク・ベ・キ・カ」という展開になるのでしょうか?
Commented by odin2099 at 2016-02-14 17:47
> ふじき78さん
A先生も必ずしもブラックな作品ばかりじゃないですけどね 「ハットリくん」はA先生だし
by odin2099 | 2016-01-21 19:39 |  映画感想<ハ行> | Trackback(12) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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