【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『真田幸村の謀略』(1979)

先日の松方弘樹の訃報には驚きました。
闘病中なのは知っていましたが、そこまで深刻な病状だったとは…。
そこで、久しぶりに見てみようかなと思いつつも、昨年の真田ブームに際してはタイミングを逸してそのままになってしまっていたこの作品を、追悼も兼ねて見直すことにしました。

e0033570_19492659.jpgさてこれは、東映が「柳生一族の陰謀」「赤穂城断絶」に続く<復活時代劇シリーズ>(?)の第3弾として用意した作品でして、主役の真田幸村役の松方弘樹をはじめ、寺田農、あおい輝彦、ガッツ石松、森田健作、火野正平、岡本富士太、真田広之、秋野暢子らが真田十勇士に、御大・片岡千恵蔵が幸村の父・昌幸を、梅宮辰夫が兄・信之を演じ、更に淀君役に高峰三枝子、加藤清正に丹波哲郎、大野治長に戸浦六宏、後藤又兵衛に成田三樹夫、豊臣秀頼には小倉一郎を配し、他にも浜村純、金子信雄、小林昭二、曽根晴美、梅津栄、萩尾みどり、香川良介、江波杏子、上月左知子、桜町弘子ら豪華な顔触れを揃えた大作になっています。
前2作で主演を務めた萬屋錦之介は特別出演とクレジットされていますが、脇に回って実にしぶとく憎々しげな徳川家康を怪演。その扱いは「忠臣蔵」映画における吉良上野介のような感じですが、流石の貫録を見せてくれます。

「柳生一族の陰謀」も史実をひっくり返した大胆なアレンジが話題になっていましたが(「夢だ、夢だ、夢でござる!」)、この作品では更に踏み込んでいて、単なる時代劇ではなくSF映画と呼んでも良いような怪作に仕立て上げてしまってます。
特撮監督としてわざわざ矢島信夫佐川和夫の二枚看板がクレジットされていますしね(同じ東映で「バトルフィーバーJ」を手掛けていた頃ですかね)。

冒頭からいきなり妖星は飛来するわ、真田丸は浮遊するわ(幻覚ですが)、ラストシーンで今度は猿飛佐助が妖星と化して飛び去ってゆくわ、と書くと「それ一体何のお話?」と思われるかもしれませんが、そういう映画なのだから仕方ありません。
しかもこれらの要素が肝心の物語と有機的に結びついているかというと、お世辞にもイエスと言える状況ではなく、単に奇を衒った小道具でしかないというのがどうにも。

集団の馴れ合いではなく、個々の、ぶつかり合う人間として描かれている十勇士の姿など、見るべき点もあるのですが、そうは言っても十勇士個々の出自・過去がドラマに厚みを増しているのかといえばノーですし、清海が女性である(しかもその正体は「ジュリアおたあ」!)必然性はあるのかといえば、これは女性キャストを増やす方便でしかないですし、ぶっちゃけ途中でだれてくるのも確かなんですよねえ。

結局製作者たちは、どのような層をターゲットにしてどのような映画を作りたかったのかが不明という点では正に怪作で、そういえばこれってヒットしたんでしたっけ?
<復活時代劇シリーズ>はこの後に第4弾として「徳川一族の崩壊」という作品が作られていますが(これだけ未見です)、それで打ち切りになってしまいました。

【ひとりごと】
冒頭の妖星=佐助=ラストの妖星、しかも初登場シーンは猿の姿(見間違いという解釈?)ということから佐助は宇宙人だった(!)という解釈をしてる人が多いでしょうし、自分もそう考えていた時期もあったんですが、だとすると戸沢白雲斎の元で修業して、という件と矛盾してしまうんですけど…?
まさか「草の者=宇宙人」とするには無理がありすぎるしなあ…。

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by odin2099 | 2017-01-26 19:52 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
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