【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『マグニフィセント・セブン』(2016)

e0033570_11115832.jpg金を採掘し、町を牛耳っている資産家バーソロミュー・ボーグ。遂に町の住民たちはなけなしの財産をかき集め、ボーグ一味に対抗する用心棒を雇うことに。
集められたのは保安官にして賞金稼ぎのサム・チザム、ギャンブラーのジョシュ・ファラデー、伝説の狙撃手グッドナイト・ロビショー、孤高の暗殺者ビリー・ロックス、インディアン・ハンターのジャック・ホーン、流れ者のバスケス、それにコマンチ族のはぐれ者レッドハーベストの7人。
チザムは住民たちを指揮し、ボーグを挑発。
ボーグはそれを知り、大軍を率いて町へと戻ってきた。

以前から何度か噂は流れていた「荒野の七人」のリメイクがとうとう実現。
ガンマンを演じるのがデンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホン、ヴィンセント・ドノフリオ、マヌエル・ガルシア・ルルファ、マーティン・センズメアー、それに一行を集める実質的な主人公が夫をボーグに殺された未亡人のエマ(演:ヘイリー・ベネット)、という具合に女性が重要なポジションにいたり、メンバーが黒人や東洋人、ネイティブ・アメリカンらを含めて構成されていたりというのが、如何にも現代風のアレンジで、強大な敵に対する多国籍軍の様相。

もっとも20年ほど前だったかに第一報が流れた時は、クリント・イーストウッド、ブルース・ウィリス、シルベスター・スタローン、トム・クルーズ、ケビン・コスナー、キアヌ・リーブス、ブラッド・ピットの名前が挙がっていたので、これはこれで見たかった。

e0033570_11114589.jpgオリジナルの「七人の侍」や「荒野の七人」を見ていないとわからないのでは?と敬遠している向きもあるだろうが、特に予備知識はいらない。
最初のうちは多少混乱するかもしれないが、7人のキャラクターはきちんと描き分けられていて、それぞれ見せ場も割り振られている。
オリジナルと同じキャラは一人もいないが、旧作を知っていれば「このキャラクターのこの要素は、今度はこのキャラクターに割り当てられたんだな」という楽しみ方も出来るが、それはこの作品が気に入ったら後でオリジナル版を見ればいいだけのこと(ちなみに「七人の侍」と「荒野の七人」もキャラクターはかなり変えられている)。
オリジナルに比べて7人と町の住民たちとの交流が描かれてないとの声もあるが、むしろそれがないことで彼らの立ち位置がよりハッキリしているのではないだろうか。
義侠心や同情から彼らは集まっているのではなく、言ってみれば男が男に惚れるという「美学」で繋がっているからだ。

むしろ先日見直したところだが、アントワーン・フークワ監督の旧作「キング・アーサー」を見ておくと、その類似性が愉しめるかもしれない。
あれもリーダーに惚れた男たちが、強大な相手に命を投げ出して立ち向かっていくというドラマで、作戦の組み立て方などにも共通点が見て取れる。
つまり監督にとって好きな題材だったということなのだろう。

音楽のジェームズ・ホーナーはこれが遺作。完成前に事故死した彼の作業はサイモン・フラングレンが引き継いで完成させた。
時折オリジナル版のテーマ曲を彷彿とさせるメロディが流れてきてニヤッとさせられるが、エンドロールではそのエルマー・バーンスタイン作曲のオリジナル版テーマがしっかりと流れ、幸福な気持ちに包まれ劇場を後にした。

ところでこの作品、日米共に興行成績があまり宜しくないらしい。
特に日本ではあまり宣伝されているようにも感じないのだが、それにこの邦題が頂けない。
覚えにくいし、言いにくい。
本国から原題のカタカナ化を厳命されたのかもしれないが、ここはストレートに「新・荒野の七人」とか、「○○○○/荒野の七人」とか、徹底的にリメイクだということを前面に押し出した方が良かったんではなかろうか。


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by odin2099 | 2017-02-12 11:18 |  映画感想<マ行> | Trackback(15) | Comments(6)
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THE MAGNIFICENT SEVEN 2016年 アメリカ 132分 西部劇/アクション 劇場公開(2017/01/27) 監督: アントワーン・フークア 『サウスポー』 製作総指揮 アントワーン・フークア 出演: デンゼル・ワシントン:サム・チザム クリス・プラット:ジョシュ・ファラデー イーサン・ホーク:グッドナイト・ロビショー ヴィンセント・ドノフリオ:ジャック・ホーン イ・ビョンホン:ビリー・ロックス マヌエル・ガルシア=ルルフォ:ヴァスケス マーティン・センスマイヤー:レッ...... more
Commented by まんじゅう at 2017-02-13 08:46 x
荒野の七人のリメイクって、
その昔、マイケル・J・フォックスの名前が挙がっていたときもありましたよね?あのときのあのメンバーでのリメイク、見たかったな~~。
今の時代なら、そういう大物が共演するお祭り映画も可能に感じるけど、当時は素人ながら、絶対無理だって思いましたよね。
Commented by odin2099 at 2017-02-13 19:24
> まんじゅうさん
マイケル・J・フォックスの名前が挙がっていたのは記憶にないですねえ。
いつ頃だったんだろう?
何度かリメイクの噂が出てましたが、常にトム・クルーズの名前はあったような。
「エクスペンダブルズ」のような映画が作られる時代ですから、今なら何でもありですかね(^^)
Commented by Nakaji at 2017-02-13 20:50 x
こんにちは。
オリジナルにまったく思い入れがないので、素直に見れました。ガンアクションかっこよかったです。
なんか西部劇が苦手でちょっと疎遠気味になっていたのですがこれは面白かったです。
Commented by odin2099 at 2017-02-13 22:14
> Nakajiさん
最初のシーンは殺伐としていて、うわー、最後までこのノリだったら辛いなあと思ったのですが、デンゼル・ワシントンの仲間集めが始まったあたりから少しずつ明るいトーンが出てきてホッとしました。
クリス・プラット、良い役者さんになったなあ、と惚れ惚れ。
Commented by ふじき78 at 2017-02-19 21:52 x
キャスティング若手のイケメン役者だけに絞って「坊やの7人」にすれば良かったのだ。
Commented by odin2099 at 2017-02-20 20:10
> ふじき78さん
いくらでもバリエーション増やせるね。
全員女性にしてもいいし。

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