【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『キング・コング』

久しぶりのキングコング映画の公開が近付いていますので、オリジナル版をば再見。
初代「ゴジラ」は古すぎて…なんて思うんですが、この初代「キング・コング」はOKなんですよね。

今から84年も前の作品なので技術的には稚拙な筈なんですが、そこは職人技というんでしょうかねえ。
例えば人形のコングがミニチュアの丸太をグルグル回す、その丸太に掴まってる人が落とされまいと必死でしがみ付く、なんていうショットが巧みな合成やカットバックを使うことで凄く自然に見えるんです。

e0033570_23334895.jpgこれ、今だとCGを多用し、一見すると実景なんだかアニメなんだかわからないリアルな絵を見せてくれると思うのですが、それだけだとシーン全体のリアルさには繋がらないでしょう。
コングのクローズアップのショットでの表情の豊かさ、たかだか数十センチの大きさの人形のものとは思えません。

そしてコングにあってゴジラにないもの。
それは女性の色気。

ゴジラの河内桃子は清楚な美女で、宝田明、平田昭彦の二人から想いを寄せられるという、本人には自覚のないファムファタールですが、ゴジラとの直接的な接点は少なく、基本的には銃後にあって守られるだけの存在です。
対してコングのフェイ・レイはコングに追いかけられ、掴まり、性的暴行(!)まで受ける始末。
あからさまなセクシーさはないですが、スマートというよりは野性味溢れるブルース・キャボットと愛をかわし、文字通りの野獣コングに執着させるというフェロモンの持ち主。
この二人のヒロインの描かれ方の違いが、作品に大きな差異を与えています。

そしてコングに備わる暴力性。
ゴジラは放射能火炎を吐き東京を死の街へと変えますが、人間を直接襲う描写は殆どありません。人々の死も地震発生後の津波や火災によるもののような二次災害と見ることが出来ます。
ところがコングは原住民を食い殺し、あるいは踏みつぶしと「災厄」そのものと捉えられています。
二大怪獣は同列に語るにはちょっと無理がある存在なんですね。

その後の二本のリメイク作品ではコングの凶暴さは抑えられ、その代わりにヒーロー性が付加されているように感じられましたが、今度の新しいコングは如何なる存在として現れるのでしょうか。

<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/2355885/


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by odin2099 | 2017-03-06 23:34 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
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