『太陽の蓋』
2017年 03月 09日
登場人物の多くは架空である。
劇中における行動や発言は創作であり
実在の人物はいかなる責任も負わない。」
情報が上がって来ず、右往左往する官邸。
専門的知識を持ち合わせていなかったり、危機感の欠如した原子力委員会の面々。
唯一現場とのパイプを持ちながら、それを開示しない電力会社。
決死隊を作り、太陽に蓋をした現場作業員。
何も知らされず、ただ不安な日々を過ごすだけの一般市民。
リアルに描こうとすればするほど、滑稽さが際立って行く。
これはもう、良質なブラックコメディだと思うしかないだろう。
ジャーナリストを主人公にしているが、政府の対応に徹底的に批判的な態度を取るでもなく、また逆に同情的になっているわけでもなく、かといって客観的視点を持ち合わせているのでもないという、狂言回しにもなりきれない立場なのは気になるが(結局彼は何もしない。ただ有象無象の情報に流されているだけだ)、それがかえって当時の混迷ぶりを象徴しているようでもある。
当時の政府に対して擁護する姿勢が目立つという批判の声もあるようだが、その対応の仕方を批判するだけではただの糾弾映画になってしまう。
3・11には是非見て、語り合うべき映画だ。
<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/24583047/
題名まんまです。又、10本ずつドコドコやってしまいます。 ※割ともうどれもこれも覚えてなくてヘロヘロでヒャッホー。 『鉄の子』角川シネマ新宿2★★★★ 『ハッピーアワー』 ...... more