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『キングコング』

1933年版に続いて、1976年版も見直しました。
自分が最初に見たコングはオリジナル版ではなく、こっち。
だから思い入れは結構強いものがあります。
初めて見た本格的な洋画でしたしね。

あ、コングとのファーストコンタクトはこの作品じゃなかった。
♪おおきな山をひとまたぎ~ のアニメ版だったっけ、厳密には。

この作品のヒロインは「新人」とクレジットされるジェシカ・ラング。
最初の登場シーンは漂流中の救命ボートの中で気を失ってる状態ですが、着ているドレスがびしょ濡れで胸元にはくっきりと…というセクシーなもの。
それ以降もカーテン越しではありますがシャワーシーンがあったり、やはりノーブラの衣装から浮かび上がっていたり、コングに指で突っつきまわされた挙句に今度は完全に露出させられたりと、文字通り身体を張っての熱演が光ります。
オリジナル版のヒロイン、フェイ・レイと違ってお色気ムンムンというタイプではなく、むしろ清楚なイメージなのですが、そのギャップが何とも…。

『キングコング』_e0033570_08552580.jpgそもそも男ばっかりの船に途中から乗船したワケですから、女性ものの服なんてありゃしない。そこで男モノのシャツやらズボンやらを加工して身にまとってるというシチュエーションからしてエロティック。
コングならずとも、これはメロメロになりますねえ。

で、本作のコングは美女に恋した挙句、牙を抜かれて愛に殉じる騎士のごとく。
クライマックスはエンパイアステートビルじゃなくて世界貿易センタービルが舞台ですが、ここでのコングはロクに抵抗せず、ひたすら彼女を守るだけです。
なのでその最後に涙するというか、かえってあざとすぎて醒めちゃうというか。
不評な理由はそこら辺にもありそうですね。

でもその一方で、ヒロインと間違えて掴んだ女性をポイっと投げ捨てたり(オリジナル版にもあります)、コング大暴れのある意味で元凶と言える石油会社のウィルソンを容赦なく踏みつぶしたりと、所々ではダーティぶりを発揮してるのがなんとなく首尾一貫してないように感じられるのは、知らず知らずコングに肩入れして見ているからでしょうか。

そういやヒーロー格のジェフ・ブリッジスとジェシカ・ラングはそのラストシーン、お互いに駆け寄ろうとするものの野次馬に阻まれて最後まで会えず仕舞いというのが、ハッピーエンドを否定していて意味深です。

<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/2315686/


by odin2099 | 2017-03-18 08:56 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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