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『ゴジラVSビオランテ』

前作のラストシーンから時を置かずに物語が始まる、というのはシリーズ初のこと。
これがアバン部分で、この後一気に5年後に話は飛ぶけれど、このあたりの割り切り方、なんだかハリウッドテイストだなあ、なんて公開当時は思ってた。

とにかく全編無駄がない。テンポが良い。
会話の台詞をこぼして次のショットへ繋ぐなど、編集もスムーズ。
自分の生理にも合っているんだろうな。

『ゴジラVSビオランテ』_e0033570_20025296.jpg編集がスムーズといえば、芦ノ湖におけるビオランテのファーストプレビューのショット。劇場で思わず声が出た。
それぐらい芦ノ湖の実景と、特撮プールでのビオランテが違和感なく融合。
そりゃ何度も見かえしたから見慣れたし、今の技術と比べりゃ粗が目立つものの、確実に日本特撮は次のステップへ行ったなあと思ったものだった。

音楽も良い。
すぎやまこういちは静と動の使い分け、そしてその移行が上手いなあと感じた。
それは時に伊福部メロディーが邪魔になる程に。
実際伊福部メロディーとすぎやまメロディーの親和性って決して高くはないと思うし。
そういやドシラ_ドシラ_ドシラソラシドシラ…で始まるメロディを明確に「ゴジラのテーマ」として使い、かつ一般に浸透させたのはこの映画だったかもしれない。

欠点がないとは言わない。
なんでこうなったかなあとか、自分ならこうするのになあ、という部分は当然ある。
しかし「ゴジラ」映画史上に残る傑作の一本であることは間違いない。

劇中では震度3~5の地震で結構な被害が出たり、原子炉が一基でもやられたら日本はオシマイ、なんていう台詞があるけど、今となっては隔世の感があるなあ。

<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/21300907/


by odin2099 | 2017-08-17 20:05 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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