こういう本が読みたいな、と以前から思っていました。
フェリックス・メンデルスゾーン、フレデリック・ショパン、ロベルト・シューマン、フランツ・リスト、リヒャルト・ワーグナーら同世代の音楽家たちは、互いに交流を持ち刺激し合っていましたが、各人の伝記で断片的に触れられるだけ。
それを総括した立場で語ってくれる本が出ないかなあ、と願っていたのです。
この5人に、後にシューマンの妻となるクララ・ヴィークを交え、時系列で交友関係を綴ったのがこの一冊。
彼らに共通しているのは年齢だけでなく、ベートーヴェンの影響を大きく受けた「ベートーヴェン・チルドレン」だということもあるとのことです。
エクトル・ベルリオーズやジョルジュ・サンド、フェルディナント・ヒラーも重要な役回りで出てきますし、他にもサリエリ、チェルニー、ケルビーニ、シューベルト、ヴェーバー、パガニーニ、ゲーテ、デュマ、アンデルセン、ドラクロワ、ハイネ、ベッリーニ、ロッシーニ、ヴェルディ、ユゴー、フランク、ブラームスら錚々たる面々が顔を覗かせます。
この中でショパンとワーグナーだけが直接に顔を合わせていない、というのが何とも勿体ないのですが、彼らの交流にスポットを当てた映画やドラマが見てみたいものですね。
しかしそうなると彼ら彼女たちの出会いと交友が、あまりにも出来過ぎでフィクションのように思われてしまうでしょうか…。