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『マジンガーZ対暗黒大将軍』(1974)

『マジンガーZ対暗黒大将軍』(1974)_e0033570_2349217.jpg最近では『仮面ライダー龍騎』が、その最終回を映画作品としてTVシリーズに先駆けて公開してヒットさせたが、この作品はその元祖格にあたる。
『マジンガーZ』から『グレートマジンガー』へ、そのシリーズの移行を鮮やかに描いてみせたのが本作なのである。

ドクターヘルを倒して平和が訪れたと思ったのも束の間、突如ミケーネの暗黒大将軍率いる戦闘獣七つの軍団が世界各地を攻撃するという事件が起きる。
日本ではマジンガーZがこれに立ち向かって何とか壊滅を食い止めたものの、この戦いでZは大きなダメージを受けてしまう。
そんな中で再び出現した戦闘獣軍団に対し、傷つきながらも、満身創痍のZと共に最後まで戦おうとする兜甲児の姿には涙を禁じえない
一方、今正に崩れ落ちんとする”鉄の城”マジンガーZを救うべく、颯爽と登場するグレート・マジンガーの圧倒的な強さ。新ヒーローの魅力をこれほど強く印象付けた例は、そう多くはないはずだ(これが枷となって、後にシリーズになったグレートは人気面でも作品面でも苦戦することになる。最初のインパクトが強すぎたのだ)。

また、単にロボット同士の激突を描くだけでなく、短い時間の中で甲児と弓さやか、ボス、甲児の弟シローなど、登場人物もきちんと描かれているのは奇跡に近い。
勿論ロボットアニメとしての見せ場は充分あるし、渡辺宙明の音楽も光っている。
この作品をロボットアニメの最高傑作に推す人も多いようだが、同感だ。
『マジンガーZ対暗黒大将軍』(1974)_e0033570_23133955.jpg

ところで作品を見た方の中には気づいた人もいるだろうが、この作品ではTV版の主題歌である「マジンガーZ」が一度も流れないのだ。
これは『対デビルマン』も同様で、どちらも主題歌扱いなのは「空飛ぶマジンガーZ」。
そして劇中には「Zのテーマ」、「マジンガーわがマシン」、「わが友マジンガーZ」と歌モノは結構使われているのに、肝心の主題歌はメロディーすら使われていない。
TVとは別物という決意の表れなのかも知れないが、ちょっと不思議・・・。
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Tracked from C級セールスマン講座 at 2006-02-05 20:55
タイトル : 映画「 マジンガーZ対暗黒大将軍 」
昨日、西早稲田の友人I.K君がDVDを貸してくれました。作品は「 マジンガーZ対デビルマン 」と「 マジンガーZ対暗黒大将軍 」です。それぞれ、昭和47~48年頃の劇場用長編アニメですが、「 マジンガーZ 」と言えば、当時、テレビ放映の開始と共に、無我夢中になって楽しんだ”..... more
Tracked from 湘南のJOHN LENN.. at 2006-02-05 23:19
タイトル : マジンガーZ 対 暗黒大将軍
I wish you a happy New Year. マジンガーZ 対 暗黒大将軍 ガンダム以降に善悪がハッキリ分からないアニメが増えたが、元祖ロボットアニメとして善悪を明確にし、悪をやっつけるのが正義だと云う概念を子供心に植えつけさせてもらったアニメがマジンガーZだ。 ドクターヘルの機械獣を、ことごとくはねつけて無敵を誇っていたマジンガーZに危機が訪れようとしていた。その危機の元凶とは、ミケーネの戦闘獣率いる暗黒大将軍である。 劇場公開は、1974年7月25日か...... more
Tracked from かたすみの映画小屋 at 2006-03-04 15:12
タイトル : マジンガーZ対暗黒大将軍
『マジンガーZ対デビルマン』の翌年、東映まんがまつりの一環で作られた劇場版アニメ-ションです。今回はマジンガーZは暗黒大将軍の配下ではありますが、ちゃんと戦います(爆笑)。ある日、ボス(大竹宏)とその子分のムチャ(田の中勇)とヌケ(富田耕生)は、謎の予言者(大塚周夫)が現れて不吉な言葉を吐くのを目の当たりにします。その直後から、機械獣とはまた違った謎の戦闘獣がニューヨーク、パリ、ロンドン、モスクワ等の世界の大都市を襲い、壊滅させていきます。それは暗黒大将軍(小林清志)が世界征服のために放ったもので...... more
Tracked from Brianの独り言 at 2013-02-11 16:15
タイトル : マジンガーZ対暗黒大将軍
『マジンガーZ対暗黒大将軍』を久々に観賞しました。 あらすじ:海底基地のゴーゴン... more
Commented by Brian at 2013-02-11 16:23 x
こんにちは。
久々に再見したので、コメントさせていただきます。(笑)
マジンガーZがボロボロになるのが忍びないくらいで、再見するのに手間取りました。
どこまでグレートが強いのか!という感じですね。
ライダーと戦隊ものの映画に比べると尋常じゃない強さですよ。(爆)
甲児の心の強さが感じられる作品ですね。(当時は、そんなこと感じてなかったでしょうが・・・年のせいかな!?)
Commented by odin2099 at 2013-02-11 19:50
かなり力の入った作品だと思います。
惜しむらくは甲児とさやかのキスシーンがカットされたこと・・・。
最後の出撃シーンの前に用意されていたそうですが、演出家の判断でシナリオから削除しちゃったのだとか。確か桜多吾作のコミカライズ版では残されていたと思いますけど、残しておいて欲しかったなあ。子供心にも当時、ここでキスするもんだと思ってましたもん(笑)。

反面、TV版『マジンガーZ』の最終回と『グレートマジンガー』第1話の記憶が全然ありません。どちらも見ていた筈なのに、この映画版のインパクトが強すぎたんでしょうね。

またこれ以降の劇場版マジンガーシリーズも、イマイチといえばイマイチなんだよな。
あ、『宇宙円盤大戦争』と『決戦!大海獣』は評価してるんですが。
by odin2099 | 2006-02-05 20:41 |  映画感想<マ行> | Trackback(4) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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