【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『阿修羅城の瞳』(2005)

e0033570_10565268.jpg劇団☆新感線の舞台劇の映画化。といっても話題になってたのを知ってるぐらいで、実際に生でお芝居を見たことはない。よって予備知識としては、予告編見て「面白そうだなぁ」と漠然と感じた程度。しかも公開後の口コミでの評判はあまり芳しくなかったので、一時は見るのを止めようかと思っていたくらい。それでも公開がもうじき終わりとなると諦めきれず、結局は足を運んだ次第である。

主演は舞台版と同じ市川染五郎だが、色気があって華もある。着物の着こなし、立振舞い、殺陣とどれも決まっているのは、流石幼い頃から伝統芸能に身を置く人だけのことはある。ただ台詞回しには難があって、これは役柄のせいもあるのかも知れないが、やっぱり舞台役者のものであって映画俳優としてのものではないってことだろう。これ一本でどうこう言うのは早計だが、今後映画俳優として大成するかどうかは、まだまだ未知数のようだ。

e0033570_1057828.jpg台詞回しといえばライバル役の渡部篤郎は、大仰な台詞回しの染五郎と対照的に、抑揚のないボソボソ喋りだったが、これはこれで聞き取り難いもんである。それにこれだけ芝居の質が違うと、演技が上手く噛み合ってないように感じられるのは残念。

それにヒロインが宮沢りえじゃなかったら・・・? まぁ百歩譲って普段の姿は良しとしても、「恋をすると鬼にな」っちゃった状態はちょっと辛い。反対に、チョイ役にすぎない沢尻エリカの可愛さの引き立て役になってるのはなんだかなぁ。もっとも可愛いとは言え彼女の芝居は浮いてるし、時代劇向きの顔立ちじゃないのでミスキャストではあるんだけど。

異界の者の総称を”鬼”と称しているこの作品の世界観はどうにも馴染み難いが――”鬼”というと自ずとやや異なる存在をイメージしてしまうので――、一風変わった時代劇としては「有り」だ。若い人にウケルのもわかるし、きっと外人さんにもワンダフルでファンタスティックでクールだとして(?)受け入れられるだろう。

e0033570_10572648.jpg重傷を負ったはずの主人公が、何の説明もなくクライマックスで大立ち回りを演じるのはどうかと思うし、そのクライマックスへ向けて加速度的に盛り下がってゆくのは、この監督の前作『陰陽師II』と同じ構造だったりとツッコミどころも満載。不思議なことに、どんなにCGを駆使しても画面全体が平板に見えてしまうのは何故だろう? むしろCGなし、SFXなし、セットも映画に比べればちゃちで、観客のイマジネーションに委ねる部分の多い舞台の方が、よりスケール感を感じられるのかもしれない。
ということで結論。ああ、生の舞台が見たい
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by odin2099 | 2005-05-21 23:10 |  映画感想<ア行> | Trackback(5) | Comments(4)
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Commented by けろにあ at 2006-09-07 23:18 x
TBありがとうございました。
こちらからも送らせていただきました。
この作品、なぜに映画化したのか、何がしたかったのか、よくわかりませんでした。
Commented by odin2099 at 2006-09-07 23:25
けろにあ・みだす様、わざわざ有難うございました。
この映画、自分には期待はずれでしたが、舞台版は素晴らしいようですね。
やはり舞台版が見てみたいです。
Commented by chibisaru at 2006-09-09 14:31 x
いつもありがとーございます♪
なかなか手厳しいですねー^_^;
一風変わった妖しい江戸の雰囲気が意外と気に入ってしまいました(笑)
主役二人の演技もこの世界観には丁度いいのかなーと思ってたり(^o^;
ただ、私も舞台の方が面白そうかも??とは感じました。機会があったら見てみたいなぁ・・・
Commented by odin2099 at 2006-09-09 19:50
chibisaruさま、いらっしゃいませ。
あれ、きつかったですか?(苦笑)
何だかんだ言って、やっぱり期待が大きかったんですよね。
その分失望の度合いも高かった、ということで・・・(汗)。

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