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『1000年女王』(1982)

サンケイ新聞で原作漫画を連載し、ニッポン放送で特番を組んでラジオドラマを放送し、SKD(松竹歌劇団)によるミュージカル化を実現し、フジテレビでTVアニメを放送し、原作版のノベライズをサンケイ出版から発売し、更に各地でイベントを実施し…という具合に、東映とフジサンケイグループがガッシリと手を組んだメディア・ミックス戦略で送り出した『新竹取物語1000年女王』は、空前のアニメブーム末期の徒花とでも呼べる存在かも知れません。

『1000年女王』(1982)_e0033570_101677.jpgその総仕上げがこの劇場版アニメの公開だったのですが、『銀河鉄道999』『さよなら銀河鉄道999』という2本の映画とはスタッフも入れ替り、「1000年女王はメーテルだった!」との衝撃的なコピーで関連性を謳ってはいたものの、絵柄的にも物語的にも従来のファンからは違和感を持たれてしまったのか、あるいは同時期に『機動戦士ガンダムIII』という強力なライバルがいたせいなのか、思うような成績は残せなかったようです(そういえば古谷徹、池田秀一、潘恵子という『ガンダムIII』の主役トリオは、こちらでも主役や重要な役どころで出演しています)。

ラストで1000年女王=雪野弥生を死なせてしまったために、結局は『999』とのリンクが曖昧なままに終わってしまったことなど、かなり入れ込んで観ていた自分でさえ不満は持っていましたが、それでも当時の自分はかなり感激しながら劇場を後にしています(ちなみにTVアニメ版でも弥生は死んでしまいますが、原作版のみ生き残ります)。
ただ後になって何度か観直しているうちに、それほど熱中出来なくなっている自分に気が付きました。
「凡作」だとか「駄作」だとかいう声に耳を背けて当時は頑なに「傑作」だと信じていたのですが、せいぜい「佳作」どまりかなぁ…。

近年になって『メーテル・レジェンド』や『宇宙交響詩メーテル』など、この作品と『999』とのミッシングリンクを埋めようと試みた作品が次々と発表されていますが、かえって矛盾点を増やしてしまっているようなのは当時のファンとしては何とも残念です。

企画・原作・構成:松本零士、脚本は藤川桂介、監督に明比正行。
音楽は原作者のたっての希望で喜多郎が担当しています。

Commented by F20! at 2006-08-17 15:23 x
ワタシはそれでも本作がスキです。
特に主題歌。

ワタシは当時のサントラLPとかシングルのレコードを持っていないので、歌詞付きの主題歌を聴くにはビデオ(DVD)で本作を観るしかないんだよねぇ。

以前、ご厚意で松本零士全集の「1000年女王」のCDをダビングしてもらったけど、あれには歌詞が入ってないし、当時のサントラとかをCDで復刻してくれないかなぁ。

DVDが出たときに特典での復刻を期待したんだけど...
Commented by odin2099 at 2006-08-17 21:16
>F20!センセ

当時のサントラ盤にも主題歌は収録されてません。
シングル盤と、LPだと「交響組曲1000年女王」のみ。
まぁこちらも復刻して欲しいですけどね。

それにしても、セレンの乗る1000年盗賊の艦が撃沈され、夜森大介が宮殿船に突っ込み、ミライが坩堝に入って卑弥呼や楊貴妃、クレオパトラら歴代の1000年女王たちが復活する件、今観てもゾクゾクします。
その後、暗黒太陽ラーが接近する辺りから、展開が駆け足なのが惜しいんだよな・・・。
Commented by 名無しさん at 2011-03-18 22:52 x
お初ですはじめまして名無しさんです新竹取物語1000年女王
久々にテレビのアニメアニマックスにて見てみたいんですよ
Commented by odin2099 at 2011-03-18 23:25
TVシリーズは再放送がなかったので、当時の記憶しかありません。
それにしても半分見てるかどうか。
LDやDVDは出ましたけど買うほどじゃなく、ビデオは出なかったのでレンタル店にもなく・・・。
改めて見直してみたい気持ちはありますね。
Commented by 猫かつお at 2012-04-25 06:36 x
見てました本放送と再放送東海テレビで再放送されてました懐かしいです
新竹取物語1000年女王DVDHDリマスターなんですよ
おはようございますそれではさようなら
Commented by odin2099 at 2012-04-25 21:33
TVは弥生さんのキャラ違い過ぎるし、お話も・・・なので好きじゃなかったんですが、最近になってもう一度見てみたいなあと思うようになりました。
でもいきなりDVD-BOX買うのはハードルが高い。レンタルでもあればなあ。
by odin2099 | 2006-08-16 22:40 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(6)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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