【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『ペリカン文書』(1993)

e0033570_232015100.jpg二人の最高裁判事が、一夜にして殺害されるという痛ましい事件が起こった。法学生のダービー・ショウは、興味本位から殺害犯人に関する仮説を立てて論文にまとめ、これを恩師であり恋人でもあるキャラハンに見せるが、やがてその文書はキャラハンの手からFBIを経て、遂には大統領の下へと届いてしまう。「ペリカン文書」と名付けられたその論文には、ホワイトハウスを震撼させる内容が記されていたのである。
車に仕掛けられた爆弾によってキャラハンが殺され、自分の命が狙われていることを確信したダービーは必死の逃亡を図り、これを謎の集団が追い回す。周囲の誰も信用出来なくなった彼女は、敏腕記者のグレイ・グランサムにコンタクトを取り、彼に全てを賭ける決意を固めるのだった。

ジョン・グリシャムのベストセラーを映画化したものとしては2本目で、後半からラストに至るまで原作を改変しまくった前作『ザ・ファーム/法律事務所』(原作は『法律事務所』)に比べれば、監督のアラン・J・パクラは原作を手際よく整理して遥かに忠実にまとめあげている。もっとも判事殺害の目的などは、映画を観ているだけではあまりピンとこないだろうと思うが。原作を読んで、2~3回くらい見直した方が良いだろう。
e0033570_23203367.jpgそれに、グリシャム作品ということで法廷サスペンス物を期待される方にはあまりお勧め出来ない。確かに主人公こそ法律に携わってはいるものの、全体は大統領を中心にした政治絡みのスキャンダルを追いかけるジャーナリストの物語だからである。

ダービー・ショウを演じているジュリア・ロバーツは、今ひとつ知的な大学生には見えないのが難だが、グリシャム自身は端から彼女を念頭においていたんだとか。対するグランサム役のデンゼル・ワシントンは、これははまり役。サム・シェパードやジョン・リスゴーら脇役陣も好演で、それだけでも一見の価値はあるのでは?
なお『ザ・ファーム』と本作には共通するキャラクターがいるが、製作会社が違うために出番が割愛されたり、別キャストになっているのがやや残念(次作『依頼人』に至っては、まるごと削除されてしまっている)。
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by odin2099 | 2006-09-17 15:01 |  映画感想<ハ行> | Trackback(4) | Comments(6)
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Commented by けろにあ at 2006-09-17 19:11 x
Excaliburさん、こんにちは。
私の大好きな作品がエントリされたので、嬉しくてコメントさせていただきます。
この話、すごく凝ってて面白かったです。
デンゼルは本当にはまり役でしたよね。
この映画でジョン・グリシャムにはまり、一時期読みまくってました(笑)
仰るように、映画だけですと、ストーリーの面白さがいまひとつわかりにくいので、私も原作を併せて読むことをオススメします。
Commented by odin2099 at 2006-09-17 20:40
けろにあ・みだす様、今晩は!
「けろにあ」様で切ると、どうしてもウルトラマンに出てくる怪獣になってしまいます・・・(苦笑)。
あ、そうそう、当ブログを「お気に入り」に入れて頂き、ありがとうございました。

さてこの作品、公開当時に劇場で観たっきりだったんですが、今回見直してみて
「あ、なるほど、そうだったのか」と思える箇所もしばしば。
ある程度の読解力は、やっぱり必要ですね(汗)。

グリシャム作品はある時期までは全て読んでいましたし、映画化作品は全て観ましたが、
その中でこの映画は、まぁ可もなく不可もなくというところでしょうか。
巧くまとまっているなぁと思えるのは
『依頼人』、『評決のとき』、『レインメーカー』、『ニューオーリーリンズ・トライアル』ですね。
このあたりはご覧になっていますか?

今年は密かに(?)グリシャム作品を順番に全部見直そうと思っているんですが、
さて、年内に全て見終えることが出来るでしょうか・・・。
いや、別に来年に持ち越しになったって構わないんですけどね(苦笑)。
Commented by けろにあ at 2006-09-17 21:13 x
Excaliburさん、こんばんは。
ウルトラマンを見ていた世代なんですが、「ケロニア」の記憶がありません。吸血植物の怪獣か何かなのですよね。フィギュアの画像は見たことがあります。
「Chelonia」は「アオウミガメ属」という意味なので、「けろにあ」でけっこうですよ。私自身はウミガメよりも「ケロニア」に似てるかもですが(笑)

グリシャム作品は、「処刑人」くらいまで読みましたが、そのあたりで飽きました(笑)
映画は『レインメーカー』までは見ましたが(確か)、『ニューオーリーリンズ・トライアル』は未見です。(『チェンバー』も見たはずなんですが、あまり記憶に残っていなかったりします。)
仰るように『依頼人』、『評決のとき』、『レインメーカー』は、わかりやすくまとまっていたと記憶しています。
が、私は、『ペリカン文書』が、わかりにくいけど話が大きくてやっぱり好きなんですよね。
グリシャム作品は小説も映画も長らくご無沙汰しているので、今度『ニューオーリーリンズ・トライアル』見てみます。
Commented by odin2099 at 2006-09-17 21:27
はい、ドップリと怪獣世代です(笑)。

『チェンバー』は原作、映画共に良い印象がありません(苦笑)。
『ニューオーリンズ・トライアル』は原作とは設定含めて別物ですが、
大筋を巧く捉えてまとめてありますので、是非ご覧下さい。
Commented by chibisaru at 2006-09-18 23:53 x
こんばんはー♪
これ、レビューを書いたあとで見直した作品です(^o^;
そのくらい、あんまり覚えてなかったことに愕然としたんですが、やっぱり見直してもサム・シェパードのシーンが印象に深いです(笑)
何度か見ないと、なかなか理解しきれないかも・・・・(冷汗
Commented by odin2099 at 2006-09-19 21:24
今晩は、chibisaruさん。
サム・シェパードは格好良かったですよね。
前半というか序盤だけの出演なんて、なんて贅沢な・・・。

この作品、「ペリカン」文書と名付けられた所以だとか、
誰がどういう目的で判事を殺害したのか、といったことが
ちょっとわかりにくいと思いますね。
当時は原作を読んでから観に行ったんですが、それでも???でしたから(苦笑)。
まぁ今でもさほど理解力が高まってはいませんが(汗)。

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