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『スケバン刑事/風間三姉妹の逆襲』(1988)

劇場版『スケバン刑事』の第2弾ですが、前作の続編ではなくTVシリーズ『スケバン刑事III/少女忍法帖伝奇』のキャストを起用した独立したお話になっています。

『スケバン刑事/風間三姉妹の逆襲』(1988)_e0033570_01280.jpg二代目麻宮サキはTVシリーズのラストで早乙女志織という本名を取り戻し、普通の学生へと戻りましたが、三代目麻宮サキこと風間唯は、スケバン刑事というシステムをより発展させた青少年治安局所属の学生刑事として、変らず任務についているという設定で物語は始まります。
関根蔵人によって組織されたこの組織は、治安維持を名目に学生たちに強引な粛清を加えていましたが、唯はこのやり口に反発、故郷の九州へと帰ってしまいます。しかし関根蔵人の真の目的は国家規模のクーデターであり、秘密を知った二人の姉・結花と由真、そして暗闇司令までもが治安局に狙われることになり、ハミダシ者の集団・番外連合と共に立ち向かうことになる、というのが大筋です。

当時のメモを見ると前作よりも楽しめ、かつ『III』の完結編としても、また『スケバン刑事』というシリーズ全体のラストとしても納得出来たと書いてあるのですが、今見るとどうも納得いくものじゃありませんね。クーデターを企てる悪役というのは前作と同じですし、番外連合の設定はどうも『III』からの流れでは違和感があります。もしかするとこのあたりは、幻に終ったパート4用に用意されていた設定だったのかも知れません。
『II』は手放しで喜んでいた原作者も『III』にはご不満タラタラだったそうで、その結果シリーズは終了してしまったのですが、一部で紹介されたパート4用のプロットには、善悪二人の麻宮サキが登場するというものもあり、それが今回の学生刑事、そしてそのリーダーである阿川瞳子の存在に影を落としているように思えます。
またこの阿川瞳子にしろ、関根蔵人にしろ、かなりの裏設定が存在しているのですが、その辺りが劇中では全く語られていないのも、1時間半という短い映画の枠よりもTVシリーズを想定したものだったのかな、という気がしますし。

『II』では南野陽子を、『III』では浅香唯と大西結花をスターダムに伸し上げ、一部で「スクラップ・アイドル再生番組」などと揶揄されもしたこのシリーズでしたが、デビューの頃を知っているだけにこの時期の浅香唯は美人になりすぎて今ひとつ面白みにかけますね。もっと垢抜けない頃の方が可愛く感じたものです。
さて、今回4代目を襲名したのは松浦亜弥。歴代随一のビッグネームの登板ですが、はたしてどうなりますことやら。単発の映画一本きりということでのビッグネーム起用なんでしょうが、本来ならもっとマイナーどころを抜擢し、それをメジャーに育てるのが本来の伝統だという気もしますね。
Tracked from 猫姫じゃ at 2006-10-06 10:14
タイトル : スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲 06年196本目
スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲 1988年   田中秀夫 監督浅香唯 , 大西結花 , 中村由真 , 京本正樹 , 長門裕之 , 豊原功補 , 萩原流行 3代目スケバン刑事麻宮サキこと風間唯、スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇 の劇場版。 Good job M みっ....... more
Tracked from 単館系 at 2010-05-05 13:51
タイトル : スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲
22年前ですか。 戦闘少女 血の鉄仮面伝説の公開を記念して渋谷シアターNで上映 鉄仮面伝説って完全に2代目麻宮サキのパクリ? スケバン刑事の原作は全部読みました。 分厚い豪華版を中古で1500円で購入し...... more
Commented by 猫姫少佐現品限り at 2006-10-06 10:13 x
おはようございます!いつもありがとうございます!
南野陽子、浅香唯、「スクラップ・アイドル再生番組」でしたか。
確かに3代目は相当コメディーで、スケバンらしくなかったようですね。
どちらにしても、4代目と違って、オールドファンは関係ない、純粋なお子ちゃま映画という感じで、今見ると、懐かしく、おもしろく見れました。
Commented by odin2099 at 2006-10-06 21:58
>猫姫さま

斉藤由貴は『スケバン刑事』をステップに、『はね駒』で一躍スターになりましたが、
南野陽子はデビュー当時のイベントに、
10人とか20人くらいしか人が集まらなかった、という逸話があるくらいです。
でもその一年後、『スケバン刑事II』が佳境に入った頃には
「ベストテン」や「トップテン」、「夜のヒットスタジオ」などの常連になったのですから大したもの。

浅香唯はデビュー直前から知ってましたけれど、
『スケバン刑事III』が始まるまでの一年半は、知名度は限りなくゼロに近かったんじゃないかと思います。
大西結花だって一部で注目されていた、知る人ぞ知るという存在でしたし、
ホント、『スケバン刑事』さまさまだと思いますよ。
by odin2099 | 2006-09-26 06:22 |  映画感想<サ行> | Trackback(2) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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