『グランド・バンクスの幻影』 アーサー・C・クラーク
2006年 09月 28日
2012年、沈没から100年を機にグランド・バンクス沖合いでタイタニック号を引き揚げようというプロジェクトが始まる、というのが大筋です。
・・・とここまでは良いのですが、それから先はチンプンカンプン。
時系列が若干錯綜していることもあるのですが、何人か出てくる主要な登場人物がどうにも把握出来ないんですね。
それぞれ専門分野を持ち、物語上の役割分担もしっかりされているはずなんですが、読んでいると「あれ、この人は誰だっけ?」、「この人とこの人はどういう関係?」と前のページを繰ることもしばしば。
そして最大の難関、”マンデルブロー集合(M集合)”とやらが出てくると、もうお手上げです。巻末にはクラークによる解説も付いているのですが、それを読んでも何を言っているのか全く理解出来ません。
そこまでいかないまでも
「ここに二つの同じ四面体があります。それぞれの側面は正三角形で、全部で八つあります。どれでも二つの面を合わせたら、新しい立体には、いくつの面ができますか?」
などという問題が出されただけで、もう完全に思考停止。普通の人なら、即座にとまでいかなくても少し考えれば正解を導けるんでしょうかね。自分にはイメージすることすら出来ませんが・・・。
ということで今回も一応は読破、というか最終ページまで辿り着いたものの、頭に中には何も残りませんでした・・・・・・。
「レイプ・ザ・タイタニック!~タイタニックを押し倒せ!~」 じゃなかったw 「レイズ・ザ・タイタニック!~タイタニックを引き揚げろ!~」 という映画があったが、 それを見て怒り狂った一人のSF作家がいる。 何を隠そう(何も隠しはしないが) 世界3... more
最近では、グレッグ・イーガンの「宇宙消失」がそうでした。
書いてある内容がイマイチ理解できず、あえなく挫折。面白そうだっただけに残念なんですけど、私の頭ではついて行けませんでした。(^^;
クラークは他にも何冊か読んでますが、その殆どに手こずってます(苦笑)。
一応はSFファンの端くれを自認してるんですけど、ハードSFとかまるでダメですね。
『ハイペリオン』などのダン・シモンズ作品なんかも、あの分厚さにめげちゃうし。
”サイエンス・フィクション”というよりも、藤子F先生の作品のような”すこし不思議”が丁度良いのかもしれません。